WinRadio G303e導入記

 

WinRadio G303eは、WinRadio社のPCコントロールのレシーバーで、PCの拡張ボードとして動作するG303iの、USB接続、外付け版です。

単にPCコントロールというだけでなく、オーディオ部分は、PC側で処理を行うという珍しい構成の受信機です。

なお、G303のG3は、第3世代の受信機ということだそうです。WinRadio社の大きく括って3機種目ということでしょう。

googleで検索しても、ユーザーによる評価は見つかりません。情報が少なそうだったので、この文章を書きました。

なお、メーカーのHPに、雑誌に載ったWR G303iのレビューがいくつかあります。また、WRTH 2004年版にも303iのレビューが乗っています。

 

[きっかけ]

2004年夏、ALA-330Sというノイズに強いアンテナとの出会いで、あきらめかけていたDXingを、ほぼ20年ぶりに、再開しました。

数年ぶりに火を入れたJRCのNRD-525は、無事動いたのですが、やはり、がたもあります。良い受信機ですが、そこはそれ、古い受信機なので、同期検波受信回路とかも ついていません。

2004年10月、加藤さんのHPで、WinRadio G303eが発売されたとの情報を得て、メーカーのHPで概要を確認して、次の日には、発注していました。

Professional demodulator同梱版で、送料込み、$753.14でした。

じつは、レビューを読んだのは、発注した後だったなど、まさに、衝動買いでした。

 

[第一印象]

発注してから約1月で、国際宅配便のFedEXで届きました。納期が少しかかった気もしますが、発売間近だったせいでしょうか?

付属品も入っているので、箱は、大き目の印象でしたが、本体は小さく、そして軽いです。12V駆動ですし、モバイルで使うのに便利かもしれません。

半透明のプラスチックの外装ですが、本体は、シールドのため覆われているので、中はまったく見えません。

アンテナ端子が、SMA型です。SMA-BNCの変換コネクタも付属するのですが、手持ちのアンテナがM型コネクタだったので、別途、MJ-BNC変換コネクタの変換を用意しました。

#最初、SMA-MJコネクタを用意したのですが、ねじのピッチが違うのか、うまくつけられませんでした。

 

[インストール]

本体に電源のACアダプタ、アンテナをつけた後、PCとの接続はUSBケーブル1本です。

#マニュアルを見ると、別売りのシリアルケーブルでは、他に音源ボードとの接続が必要ですが、現状で、まず、シリアルケーブルで接続の必要がある場面というのは無いのではないでしょうか?なお、USBケーブルの 本体側は、普段のUSBコネクタでは無く、専用のコネクタ形状です。なお、シリアル接続の場合は、WR303iの場合と同じように、デジタル化処理は音源ボードの担当、USB接続の場合は、本体内のADコンバータの担当だそうです

ソフトのインストールは、付属のCD-Rからします。インストールはスムーズでした。本体をつなぐと、plag & playで認識され、driverのインストールを促されますが、そこは、他のUSB周辺機器を接続した時と同じ要領です。

 

[受信性能・機器構成]

PC1: EPSON Direct Endeavor 2500 (P4 3GHz, メモリ2GB)、WindowsXP Professional

PC2: SONY VAIO101 (Celeron 600MHz, メモリ512MB)、WindowsXP Professional

の2台につないで、テストしました。アンテナは、ALA-330Sです。

メーカーによる最低構成は、PIII 500MHzですが、PC2では、チューニングダイアルを回していると、時々、固まったように動かなくなることがありました。ただし、スキャンニング時の表示は、なぜかPC2の方がスムーズでした。

(下はJRC NRD-525、WinRadio G303eは、上に載っている白っぽい箱)

 

ノイズが、PC1のほうが多いように感じられたのですが、アンテナをはずして、内部雑音を確認すると、ほぼ同じです。

ノイズが気になるのは、音源の音質の差かもしれません。

 

感度は、Sメーターの触れを見る限り、NRD-525とほぼ同じでした。

 

構成は、第1中間周波数45MHz、第2中間周波数12kHzです。

フィルターは、フロントエンド部に15kHzのが1つ入ってるだけで、あとは、demodulator側でソフト的に処理しているようです。

オプションのprofessional demodulatorが無いと、AMの選択度は、6KHzと4kHzだけですので、DXには、不足だと思います。別売りで買うと割高ですので、セットで購入が良いと思います。

なお、noise reducerやnotchは、別売りのAdvanced Digital Suiteに付属です。このsuite、Faxのmoduleとか、いろいろ入っているのはいいのですが、高いです。

#Advanced Digital Suite、買うかどうか思案中です。

 

USBの復調がきれいなのが印象的です。

 

#誤算は、インジケーターの青いランプがまぶしかったことです。点滅の仕方で動作確認が出来るのですが、動作中、点滅したままです。部屋の明かりを落としていると、邪魔で仕方ないです。

 

[操作性]

付属ソフトの操作性は、直感的で、申し分ないです。

 

チューニングは、ダイアル(マウスで操作、右クリックで右回転、左クリックで左回転,、マウスのホイール対応)、fast tuning pad、周波数表示部での操作とか多様です。

ダイアルのピッチは、デフォルトでは、500Hzで、shiftか、ctrlキーとマウスの併用で、早まわしができます。

#マウスでのチューニング慣れるまで、新鮮というか、感覚的に奇妙です(笑

一見、テンキー入力が無いようですが、周波数表示部の数字をマウスで選んだあと、テンキーで入力すれば入力できます。

おおむね、他の操作部も、脇の矢印によるup、downのほかに、直接入力が出来ます。

 

メモリーは、1000局らしいですが、設定ファイルの書き出し、読み込みが出来ますので、HDDの容量の上限しだいだそうで、事実上無限です。

メモリーの設定は、後からでも編集可能です。

#目的別に、メモリーファイルを用意して、切り替えて使うと便利かもしれません。

 

選択度は、professional demodulator使用の場合は、1Hz-15kHzまで、1Hzピッチで可変です。

世の中、中途半端なフィルターがついた受信機が多いので、この柔軟性は、貴重です。

 

音量(ボリューム)の調整を数字でしないといけないのは、直感的でなくて良くないです。

音質の調整は、付いていないので、音源ボード側ですることになります。

 

Spectrum scopeは、高価な受信機にしか付いていない印象があったので、珍しくて、ついつい使って遊んでしまいます。

なお、scan中は、無音になります。

scan結果を、マウスでクリックすると、その周波数が受信できます。

 

録音が、PC上から簡単に出来るというのは、利点かもしれません。

わたしは、KAGEYAMAさんのHPで紹介されていたRockonというソフトを使っています。

#うちのPC1は、音源ボードの構成が少し特殊なので参考にならないかもしれませんが、メインで使っているKenwoodの外付けUSB音源は、入力に使えないので、サブに内蔵音源ボードをもうひとつ差して、USB音源の録音出力を内蔵音源のLine入力につないで使っています。

 

[マニュアル]

メーカーのHPには、Comprehensive user's manual付属となっていましたが、お世辞にも詳しいとは言えません。操作方法について一通り載っているだけです。

AMSが、同期検波だという記述がどこにも無く、WRTHの303iレビューで確認できた始末です。

 

第1版 2004 Nov. 14