DBVSマニュアル ・マニュアルを読む前に熟知しておくべき事項 エディタの使い方。ファイルの作成、変更の方法。 CONFIG.SYSとは何か。その作り方。デバイスの考えについて 環境変数とは何か。その設定、解除、リストのしかた。 つまりは SET コマンド。使ったことのない人が多いのでは? リダイレクト(アペンド処理を含む)とパイプ バッチ処理 サブディレクトリとCD・MDなどのコマンド、パス名について (MS−DOS全部じゃないか? MS−DOS実務ユーザーを目指す方はがんばってマスターしましょう) もしわからない場合はMS−DOSの解説書などを読みましょう。読んでわかる可能性はあまり高くないので、実際にやっている人に聞きましょう。 ・コマンドの解説については最初にコマンド名が全角大文字で示されていますので、エディタなどで検索して必要な部分を読めるようになっています。しかし全角文字で検索するには日本語FEPが必須だろうからこれほど矛盾した話はない。 ・マニュアル中、%%で始まる行は見出し語です。タグジャンプの時に利用されますので、読み飛ばしてかまいません。MIFESを使っている方は、KM0.TAGをオープンして必要な行にカーソルを合わせ、F10キーを押せば目的の部分を読むことができる。HOMEキーを押せば元に戻る。また、このマニュアルを変更、分割した場合には MAKETAG KM0.DOC >KM0.TAG にてタグファイルを変更しておく。 動作に必要な環境 ・PC9801シリーズまたはPC286シリーズ(グラフィックス関係は一部のモデルで動作しないと思われます) グラフィックスを使わないプログラムは他のMS−DOSマシンでも動作すると思いますが、確認はしていません。初期のPC9801シリーズ(ディスクドライブが2DDのもの)はフロッピーの動作が異常に遅いのでたぶん使えないでしょう。よく知られている通り、CONFIG.SYSのBUFFERSは全然役に立ちません。これらの機種で使われる方はRAMディスクを使うか、外付けドライブを付けましょう(あるいはこの際思い切って32bitマシンでも買ってしまいましょうか?) ・MS−DOS Ver2.XX以上(Ver2.XXにはいろいろの制約があるためVer3.1以上(現在Ver3.3が利用可能)を使用することを勧める。但しNECのMS−DOS Ver3.1の最初のモデル(COMMAND.COMの日付が85-10-21のもの)には大きなバグがあり、ハードディスクが使用できないため使ってはならない) ・本体メモリ 384K以上(640K(以上))が望ましい。特に今後プログラムが大きくなるとメモリーには入らないかもしれない) ・ハードディスク 20−40MB(MS−DOSは標準で40MBまでしかサポートしていないが、デバイスドライバ付属により更に大きな容量を使えるようにしたハードディスクも発売されている。(注)その後MS−DOSのバージョンアップにて大容量ハードディスクも使えるようになりました。容量・スピードを問題にしなければフロッピーでも使えるが、ディスクの交換も面倒だし間違いやすいのでできるかぎりハードディスクの使用をお勧めしておく。フロッピーでは10000目測程度が限度だろう) ・マウス グラフィックスにおいて必要 ・エディタ MS−DOS付属のEDLINでも良いが、スクリーンエディタの使用が望ましい(どうしてMS−DOSは標準でまともなエディタを付けてくれないのだろう)。現在使用中のものがあればそれでよい。(例えばMIFESやFINAL・・FINALはよく暴走しますのでクリティカルな動作を好むプログラマに人気がある?) 日本語ワープロ(例えば「一太郎」)でもエディタの代わりに使えるが、すべて半角文字で書く必要がある。またワープロ独特の制御文字(改ページなど)が入っていてはならない。本格的に使う方はエディタは購入しましょう。 ・あると便利な周辺機器等 %% プリンタとハードコピードライバ  プリンタ 一応PC−PR201をサポートしています。グラフ出力などで他のプリンタで使えないことがあるかも知れませんが、その様な機種でもスイッチなどによってPCPR201モードになる機種もあります。どうしても動かないときは相談にのりますので飯田氏の方まで連絡してみて下さい。アセンブラの話をしたら喜んできっとカラーコピーでもサポートしてくれることでしょう。 %% RAMディスク  RAMディスク 中間ファイルを作成するのに便利です。また整約の際のフィルタ類はディスクを煩雑にアクセスしますので、RAMディスクの上で実行すればむちゃくちゃに速くなります。本体が640Kない機種ではメモリー増設をかねてRAMディスクを購入されたら良いでしょう。RAMディスクは2MB程度あればだいたいの用途には大丈夫です。むかしはRAMディスクはハードディスクを買えない人がスピードアップのために購入するのが多かったですが、ハードディスクが普及した今日では用途が異なります。この快適さはRAMディスクを使った人でないとわからないだろうなあ。ちなみに筆者が接触するパソコンにはRAMディスクかハードディスクを必ず付けています。 %% 数値演算プロセッサ  数値演算プロセッサ JD計算等は実数を使用していますので数値演算プロセッサがあれば速くなります。 (注)プログラムはTurbo−Cで書かれていますので、数値演算プロセッサが有効に利用されるかどうかはそのライブラリ次第です。某雑誌の資料によるとTurbo−Cは8087・80287はサポートしているが80387はペケになっていました。MS−Cではマルのようで、よくわかりません。また付属ソフトのうちいかにも数値計算をしている(かのように見える)ピリオドグラム(PERGRMDB.EXE)は数値演算プロセッサがなくても実用的なスピードが出るように整数化して計算しています。そのため数値演算プロセッサを付けていても速くなりません。グラフ等でどの程度速くなるのかは実際に8087を付けている(付いているだけで使われていないという噂もあるが)人に聞いてみて下さい。どちらかといえばプログラムがどんくさいためスピードが出ていないだけで、プロセッサを付けてもあまり速くならないような気がするが。 %% Cコンパイラ ・Cコンパイラ プログラムを利用者自ら変更するときに使います。安価なTurbo−Cまたは、¥が余りまくって困っている人はパソコンショップの販売員のすすめる通りにMS−C(OS/2用のV5.1を購入して下さい)が良いでしょう。 %%一般的な注意 @データベースはこわれやすいものです(特にDBVSはよく?暴走するので)。万一(実はしょっちゅう)のために再構成できるようデータはフロッピーにバックアップしておきましょう(たまにバックアップ用のコマンドがファイルを壊したりして)。コマンドによってはキーからデータを入力できることもありますが、ファイルを作ってそちらから入力しましょう。 Aプログラムのチェックはまだ十分とは言えません。動かなくなったりデータを壊したりすることがあるかも知れません。データのバックアップは重要です。ユーザーのミスがないのに動作しないときはdistributorに連絡して下さい。 %% バージョンアップについて Bバグの修正・機能追加により予告なくバージョンアップをすることがあります(バージョンアップの際にバグが増えるのはよくあることです。またバージョンアップの際にファイルのコピーをするのを忘れて、ファイル数が減ることもよくあります。ユーザー側でも一応バージョンアップ前のディスクも保存しておいて下さい)。最も新しいものはdistributorまたは渡辺氏のところにありますので、問い合わせの上、ディスケットに送料を添えて申し込み下さい。バグレポートやバージョンアップ情報はたまに「変光星」誌上に発表されると思いますが、最近の同誌は記事の回転が悪いので必ずしも期待できません。心配な方はW氏の方に直接聞いてみて下さい。 Cプログラムのコピーは自由です。プログラム自身を変更してもかまいませんが、そのdistributionは変更を行った方が責任を持って行って下さい。また改良品、周辺ツール等が出来ましたら日変研の方へ発表して頂きたいものです。そのため、ソースプログラムを付けてあります。昔はMS−CとTurboCの両方でコンパイルできるようにしていましたが、最近はTurboCしか使っていないのでたぶんMS−Cでは動かないでしょう。(関係ないとは思いますが営利目的には使わないでください) %% システムディスクの作成の方法  以下の手順にてシステムディスクを作成して下さい。なお、DBVS自身が大きくなったため、配布されるフロッピーは2−3枚になり、しかも内部はサブディレクトリに分かれ、ファイルの種類別に格納されています。サブディレクトリ名は今後変更される可能性が高く、はっきりいってMS−DOSを使いこなしていない方はこんなマニュアルを参照するより飯田氏なり清田氏なりに長距離電話をして、パソコンを触りながらシステム構築をしたほうが楽です。 %% ハードディスクの構築 a)ハードディスクシステムの場合。 (1)「MS−DOSなんて全然わからない」という方  無謀です。誰かにやってもらいましょう。 (2)「MS−DOSならば使ったことがある」という方  ハードディスクはMS−DOSにてformatされているものとします。ハードディスク(ドライブAと仮定します)にはMS−DOSシステム,command.com(MS−DOSのシステムディスクに PRINT.SYSがある場合、それも)のみを入れて下さい(ディスク容量が十分ある時は他のファイルがあっても構いませんが、一度データベースを構成してから入れ直したほうが良いと思います)。 DBVSシステムとして送られてきたディスク(たぶん2−3枚に分かれている)のうち、ソースプログラム(.C .H .ASM .LIB 等の拡張子を持つファイル)以外の全ファイルをハードディスクにコピーします。 ドライブA(ハードディスク)のルートディレクトリに次のファイルを作成します。 %% CONFIG.SYS の書き方 [CONFIG.SYS] FILES=20 BUFFERS=20 SHELL=A:\COMMAND.COM/P ご存じのこととは思いますが、MS−DOS Ver3.3になって環境変数領域の指定オプション(/E)の引数が変化しました。環境変数をたくさんとる方は注意して下さい。 %% プリンタドライバの組み込み MS−DOS V3.3およびV3.1の一部では、プリンタドライバが本体(IO.SYS)からPRINT.SYSとして切り離されました。そのようなMS−DOSの下でプリンタを使用する場合、CONFIG.SYSに DEVICE=A:\PRINT.SYS の一行追加が必要です。PRINT.SYSを必要としないバ−ジョンのMS−DOSでこれを指定するとエラーになります) PRINT.SYSが必要であるかどうかの判定は以下のようにすればできます。 1)そのMS−DOSのシステムディスクにPRINT.SYSがあるかどうか調べる。 2)そのMS−DOSのシステムディスクをそのままたちあげてみて「プリンタが使用可能です」と出ればPRINT.SYSが必要。 3)とりあえずPRINT.SYSを登録せずにたちあげてみて^Pを押して何かキーを押してみてエラーが出ればPRINT.SYSが必要。 %% マウストライバの組み込み DEVICE=A:\MOUSE2.SYS B MS−DOSに付いてくるNECの標準マウスドライバ(MOUSE.SYS)とは仕様が違うので、標準マウスドライバは残念ながら使えません。付属のMOUSE2.SYSを使って下さい。(マウスを使う他のアプリケーションと混在させる時は注意が必要です。「アスキー」のマイコンプラネタリウムやゲームなどMOUSE2.SYSを使う例も多いのですが。最近はCODEVIEWのように独自のマウスドライバを付属させる例もあり、ややこしい状況です。MS−DOSのドライバをどうしても使う必要のある方はプログラムを書き換えて下さい・・と無責任に書いておく) %% ハードコピードライバの組み込み %% PDRV201.DRV DEVICE=A:\ハードコピーデバイス名 ここはプリンタ機種依存です。ハードコピーデバイスのうち自身のプリンタに対応するものを選んで使って下さい。これを忘れるとハードコピーを取ろうとした時にエラーとなります。 現在のところ飯田氏が心血をそそいで大晦日に作ったPC−PR201用のドライバ、PDRV201.DRV があります(\DEVICEディレクトリの中)。とりあえずは DEVICE=A:\PDRV201.DRV で以前と同じ質のハードコピーを得ることができます。 このデバイスを登録しなければハードコピーは取れません。 なお、「私はプリンタは持っていない・使わない!」という方は、PRINT.SYS・ハードコピーデバイスは登録する必要はありませんが、^P等にはご注意を。 ハードコピーデバイスはMS−DOSのキャラクターデバイスであるため、最新のMS−DOSを用いれば、CONFIG.SYSに直接書き込むのでなく、ADDDRV.EXEを用いて後から組み込むこともできます。これを用いれば必要がなくなった時に外すこともできます。またドライバの性能アップ(例えば二重打ちによって濃度の高いハードコピーを得ることができる)があった場合にも対応が簡単です。ついでながらマウスドライバもADDDRV,DELDRVでつけはずしができます。と思ったが、マウスドライバは割り込みをいじっているのでうまくいかないかも知れません。さらに注意事項ですが、ADDDRV.EXE,DELDRV.EXE はルートディレクトリに置いていない場合(PATHで指定したサブディレクトリにある場合など)うまく動かない時があるという噂がありますので、特にハードディスクでディレクトリ管理を厳密にやっている方でもこのコマンドはルートに置きましょう。 またRAMディスクを使う場合はRAMディスクドライバも登録する必要があります。これはそのソフトのマニュアルに従って下さい。なおRAMディスクドライバはADDDRVで登録できませんので注意してください。 %% AUTOEXEC.BAT について [AUTOEXEC.BAT] PATH=A:\ DBVSの.EXEファイルやMS−DOSの.EXEファイルを置くディレクトリを指定します。 %% 環境変数 SYS SET SYS=A:\ この行はシステムディレクトリを設定するものです。VARTYPE等の「システムデータ」はこのディレクトリに置きます。なお、ディレクトリ名の最後には必ず¥記号を置いて下さい。 %% 環境変数 DB SET DB=A:\VAR この行は普段使用するデータベース名を設定するものです。なくても良いのですが自動実行の方が望ましいでしょう。((b)のフロッピーディスクの場合も同じです) %% 環境変数 HZ SET HZ=あなたのマシンのクロック数(単位MHz)。例えばPC9801RAならば SET HZ=16 何に使うのか?これは将来DBVSに音楽機能を付ける時に演奏スピードを機種依存にしないためのものです。セコいテクニックを用いればクロック数の識別ぐらいできるはずなのですが、知りません。またVSYNC割り込みでクロック数に依存しないものを書くことができるはずですが、割り込みは嫌いなのでやめました。変光星観測や打ち込みですさんだ心に音楽もいいのではないでしょうか?なおPC9801の大抵のモデルは単音しか出ませんので音楽はすべて単音演奏(メロディーのみ)となる予定です。アホな話であるが「ショパンアルバム」とか作りましょうか? なおconfig.sysに他のデバイスドライバ(ATOK等)を登録するとメモリーが減りますので、しない方がよいでしょう(特に日本語は使いませんので) (3)「MS−DOSなら何でも知っている」という方  ワープロやCコンパイラなど分野別にサブディレクトリを作り、ハードディスクを管理しましょう。ディスク容量不足できっと頭がウニになります。日本語FEPや各種常駐型ソフトも組み込んでメモリ不足に苦労しましょう。デバイスドライバの登録はADDDRV.EXEを使うのが良いでしょう。きっとうまく動かなくて苦労します。またDBVSシステムは.EXEファイルとシステムファイルに分けて別のディレクトリに入れましょう。.EXEファイルはPATHが、システムファイルはSYSが指しているように環境変数を設定します。 %% フロッピーの場合の作業 b)フロッピーディスクを使う場合  はっきり言って初心者ではシステム構築は難しいと思われます。データベースを使わないならば何とかなりますが、データベースと各種システムファイル(.EXEファイルだけで1MB以上あるので必要なファイルだけコピーします)そしてデータディスクをどうやって2台のフロッピードライブに割り当てるか考えるだけで気が狂いそうになります。フロッピーを入れ換えながらの作業になるでしょう。そこら中にフロッピーが散乱します。一般的にはデータディスクを入れ替えるので、データベースと必要な.EXEファイルが同じフロッピーに存在することになり、少ないディスク容量がさらに小さくなります。渡辺氏がフロッピー2台でうまくやっているようですのでわからない方はアドバイスを受けると良いでしょう。  入力だけならA:にはMS−DOSシステム、エディタ、各種フィルタ類、VARTYPEデータベースを入れ、B:をデータディスクにすればよいでしょう。  RAMディスクが利用できる場合(C:ドライブとします)、カレントドライブはC:にしてデータベースと使用頻度の高いコマンドやファイルを置き、その上で作業をすると便利です。A:には.EXEファイルの入ったディスクを入れ、B:には.STDファイル等のデータを入れるようにすると良いでしょう。 オリジナルのシステムディスクには以下のようなファイルが含まれています。(全部ではない) もし入っていなければ、配布者に連絡を、と言いたいところだが、どうせ配布者も持っていないだろうからあきらめて下さい。 (1)データ入力用・一次整約用ソフト PP.EXE P1.EXE P2.EXE PX.EXE PY.EXE PP1.EXE *PRECHK.EXE PACK.EXE UNPACK.EXE ADDEND.EXE ADDYM.EXE SORT.EXE XSORT.EXE SUMMARY.EXE NEWSTL.EXE NEWSTP.EXE CHKSTD.EXE *ED.BAT *SETTYPE.EXE *LOOKTYPE.EXE *ALIAS.EXE CALIAS.EXE システムデータベース:VARTYPE.DBF VARTYPE.CTL ALIAS.DBF ALIAS.CTL (2)データベース用ソフト *INITTREE.EXE *MRG.EXE *VMRG.EXE LIST.EXE LISTSTAR.EXE VCUT.EXE CUTX.EXE *VDEL.EXE *VREN.EXE (3)ユーティリティ *GRP.EXE *AUTOGRP.EXE *PERGRMDB.EXE %% 一般的注意 (1)*以外の.EXEファイルはフィルターとして作られています。つまり標準入力から読み(入力のないものもある)、標準出力へ出力します。多くの場合はリダイレクト符号( < や > )にて出力先を変えたり、パイプ( | )にて次のプログラムへデータを渡したりします。これによってわずかの指定でプリンタへ出したりファイルへ出力できます。もし分からない方は、MS−DOSの重要な機能ですのでマスターしておいて下さい。 (例) LIST VAR >PRN UNPACK B:KAT8801.STD (2)「一太郎」にてデータベースと同じ名称の文書を作らないで下さい。「一太郎」は.CTLファイルをこわしてしまします。 「dBASE」にてデータベースをオープン(作成)しないで下さい。.DBFは付いていても書式は全く違います。 (3)データベース形式では、.DBFファイルと.CTLファイルの両方が必要です。コピーする時など、.CTLファイルのコピーを忘れないように注意して下さい。 (4)多くのプログラム(単純なフィルタを除く)は、オプションのリファレンスを出力するように作られています。オプションを付けずに、コマンド名だけをタイプしてリターンしてみて下さい。多くの場合は usage が出力されます。(よく間違っていますが) パラメータを忘れた時など便利です。何もせず、キー入力待ちになる場合はそれがフィルタであることを示しています。^Zでリターンして終了して下さい。 データ入力についての説明 %% 代表的なデータ形式  データ形式はいろいろな体系があるようですが、すでにに愛用の形式あるいは入力ソフトがある場合はそちらを使って頂いて構いません。しかし、後でデータの変換作業が必要となります。(詳しくは変換ソフトの説明を参照) 本ソフトにおけるデータ形式(データベースを除く、いわゆるアスキー形式のファイル)には以下の3つの形式があります。   .D 形式 ノート形式に最も近い。入力専用で他には使えない。 .STD 1行に星名、日時、光度、観測者が入る。1行ごとのデータが独立しているので、並べ替えをしても良い。データベース形式はこの形式をもとにしている。なおSTDは Standard のつもりだが、Sex-transmitted disease という意味もあるので、あまり大きな声で「STD」と言わない方がよい。 .P .STD形式をPACK(圧縮)したもの。星名を取り、同じ星毎にまとめて日時の順に管理する。入力用の形式ではなくデータの交換用。秋田形式の.MRGに近い。 %% .STD 形式 a).STD形式 .STD形式は以下のようになっています。.STD形式はデータベース形式にも使われており、また各種コマンドでの星名や日時の書き方もこれに従いますので、よく理解しておいて下さい。ついでながら「日本の変光星観測の集大成」はこの.STD形式を使います。以後、例になるデータはすべて架空のものです。こまかい詮索はしないこと。      星名 日時(JST)光度 観測者  例) ANDR 8810012125 100 Kat ・全長は39文字以内であること。 ・アスキーコード20H-7EH以外の文字を含まないこと(通常のアルファベット、数字はOKですが、ギリシャ文字などはだめです) ・\及び%はエスケープシーケンス(制御文字)として扱われるのでデータ中に含まないようにする。また、その他の符号のうちでも、MS−DOSのコマンド類に重なるもの(例えば < > | & など)は、ファイルに入れる時や内容を見る時にはさしつかえなくても、コマンドライン引数として与えられないので避けましょう。例えば、ある星の全データを出力するコマンドにVCUTというものがありますが、<STAR>という星を登録してあっても、VCUT <STAR>では呼び出せません。そういう意味でMS−DOSのファイル名に使える文字は使ってよいといえるでしょう。将来にわたって安心して使えそうな記号は以下のものです。    ( ) . _ + -  ただし − から始まる名前はいけません。  MS−DOSのファイル名には-を含むことができますが、なるべくそういうファイル名は使わないようにしましょう。LIB.EXEなどで使えなくなります。 悪い例) A8901-1.STD  ついでながらやたら細かい話: MS−DOSの < > | の使い方はご存じでしょう。 & はOS/2からコマンドセパレータとして使えるようになりました。(BASICみたいに複数のコマンドを一行に書ける) ¥ と % はCのprintfなどの関数で特殊な役割をしますので使えません。また%はMS−DOSにおいて環境変数を示したり、バッチ処理の際のパラメータとして使われますので使えません。 ; はPP1.EXEでコメントとして使っています。(PP1を使わなければ問題ないが。しかしマイクロソフトのソフトではコマンド終了の区切りに使っている」) # は.P形式のファイルで、星名を識別するのに使っています。特に星名の先頭での使用は避けたほうが良いでしょう。 * と ? はMS−DOSなどで普通ワイルドカードとして使っています。星名には使わないほうが良いでしょう。nova? という表記は必要ありません。 $ は普通テンポラリファイルの名前に使われるので、誤って消さないためにこの記号の入った名前のファイルは作らないのが普通です。 @ はMS−DOSで普通「応答ファイル」を示すのに使われています。また秋田ソフトでも特別な役割を持っています。 / はMS−DOSで「オプション」を示すのに使われることが多く、使用に適しません。(−から始まる名前を避けるのも同じ理由です)またPP1.EXEなどにおいても特殊文字として扱います。たぶん秋田ソフトでも制御文字にしていた。またPC98以外のMS−DOSではファイルのパスを示すために¥の代わりに使える。その意味からも使わない方がよい。 = LatticeCなどで作ったプログラムでは、実行時のスタックサイズの指定に使われています。 ” 引用付としてよく使われるので、星名には使わない方が良いでしょう。 , BASICでデータの句切りとして使われるので秋田ソフトとの互換性から使うべきではありません。しかしコンマで区切るのはBASICぐらいのものではないでしょうか? またMS−DOSでは","をスペースの代わりに使えることがわかりました。例えば DIR,A: は DIR A: と同じです。ゆえに星名の中に","を使うことはおすすめできません。 ・各フィールドはスペース1個にて区切られます。他に余計なスペースを付けてはいけません(特にタブは使ってはいけません。またエディタによっては文字列の最後にスペースがあるかどうかわからないものもあるので注意してください。) また、次のような文字列で始まる星名(大文字・小文字を問わず)はMS−DOSのデバイス名と一致するので使わないで下さい。(別に使っても支障はないが、ファイル名としては使えないので、いろいろな所で泣きを見ることがある。) CON PRN AUX NUL CLOCK もし、あなたがMIFESを使っているならば次のようにタイプしてみましょう。 MIFES CLOCK MS−DOSで直接、次のように打ってみるのもおもしろいはずです。 COPY CLOCK FILE ECHO A >CLOCK ゆえに、時計プログラムなどのソース名はCLOCK.Cなどとしてはいけません。 そのほか、組み込みデバイスの名前も使えません(例:MS$MOUSE GCP)これは普通実際に使ってみないとわかりません。非常に気になる方はデバイスドライバをダンプして調べてみましょう。また、デバイスドライバを作成される方は、デバイス名とファイル名が一致していてはいけません。理由はわかりますね。某I氏のドライバ名がややこしいのは失敗にこりたためです。最初の一回はうまくコンパイル(アセンブル)・リンクができます。そしてデバイスに登録して、そのデバイスのソースをエディタで変更しようとしたり、コンパイルしようとすると間違いなく死にます。ファイルとして認識されないためコピーすらできません。筆者はMUSICデバイスを作ったことがあったが、リンクした途端、音楽が流れた。 各フィールドは次のようになっています。 %% 星名の基本規則 1.星名  スペースを含まなければ本来なんでも良いのですが(aの規則には従いましょう)、他の人との互換性を考え以下のように入力します。 ・星座名を全部大文字にして、先に書きます。星座名と次の文字の間にはスペースを入れない。     例) R And -> ANDR     u Her -> HERu     1951-11 Aql -> AQL1951-11 ・ギリシャ文字の表記 全て小文字で標準的な英語の表記法(別表)に従って入力し、省略は不可です。     例)ο Cet -> CETomicron       ρ Per -> PERrho ・suffixのある場合 そのまま付加します。GCVSにて同一星をA,Bに分けるときはGCVSVまでの表記にしたがい、小文字とします。     例)     Q    L Pup -> PUPL2    1    ψ Aur -> AURpsi1 (ついでながら、上付きの1を’と間違えて報告している方が多いので打ち込む場合は注意しましょう)     CE Cas a -> CASCEa ・GCVSにない符号の表記 登録された変光星名に付ける連星のA,Bや観測者の名付けたN,S,W,Eなどの符号は星名との混同を避けるため、やはり小文字とします。     UZ Tau の W-component -> TAUUZw %% 新星 ・新星の表記  ruleがまちまちなので、novaは「星座に属する星」とします。またnovaはNV,NOVAでは通常の変光星名とまぎらわしいので、novaとします。年号はnovaの後に付けます。年間のナンバーのあるものは年の後にハイフン(-)を付けナンバーを入れます。いずれ命名されるはずですからその際に登録名に変更することにします。     例)      Nova Oph 1988 -> OPHnova1988     Nova Vul 1984 No.2 -> VULnova1984-2      novaの確定がなくても天文電報やIAUCで仮名として認められた星(例えばpossible nova, probable nova)には?は付ける必要はありません。 %% 疑変星 ・疑変星(新星を除くGCVSに登録されていない星)の表記  NSVにあればその番号とします。もしBD,CD星表にあればそれを用いて下さい。W Cyg comp(65)と言うような表記はどの星をさしているのか分からないので、一般的に通用しているカタログを使用して下さい。NTKVもBD,CDに変換して下さい(付録のALIASデータベースにてサポートしています)BD,CDナンバーが分からないときには事務局へ尋ねて下さい。(こういうことにならないように、星図を作るときには(var)などと無責任に書かずにちゃんとBD,CDナンバーを付けて下さいね)  優先順位としてバイエル名(α,β等)>NSV>BD>CD>HD>SAO,フラムスチード番号としますがNTKV,SAO,HD,フラムスチード番号はなるべく使わないようにしましょう。 (新しい規則:SAOは使うべきではない−可能な限り他のカタログに直す) SAOもつかっていいと考えていましたが、ALIASデータベースの構築のため打ち込みをやっていて気が付きました。GCVSのもとは「Name List」にあるのですが、そこではお国柄か、SAOカタログはまったく無視されています。ということは、今SAOで打ち込んでおいても将来ALIAS機能でサポートされる可能性は低いということです(観測者自身がGCVSの位置を調べて同定すれば別ですが)。一方、BD,CDはNameListに含まれています。ゆえに、BD,CDで記入しておけば将来命名された時に星名変更がなされる可能性が大です。おそらくSAOカタログからBD,CDに変更するのは簡単でしょうから、SAOを使われている方は今のうちに変更しておいて下さい。 以下の例は主なカタログの星の表記法です。  NSV:NSVの後の数値はカタログでは5桁となっています。NSV389ではなくNSV00389と書いて下さい。(少なくとも最近のName Listではそうなっている。本家が言っているのだから間違いないでしょう。)    BD:゚マークはピリオド(.)を使って下さい。      例)BD-7゚3477 -> BD-7.3477 (+)マークは省略できません。    CD:COD(CoDとも書く)とCPDがあるので、どちらかをはっきりさせて(一般にはCODが多いが)書いて下さい。優先度はCOD>CPDとしますが、慣習に従いCODはCDと表記することにします。 CSV:すでに命名されていなければ、NSVにはいっているはずです。GCVSとNSVを調べて下さい。 何らかのカタログに属している星は星座名を付ける必要はありません。星座名を前に付けるのはnovaと、ハーバード仮符号しかない新変光星のみです。 その他の星については標準的な名前をそのまま付けます。必要な所で0を省略しないように。また(゚)は(.)に変換して入力して下さい。またスペースは取って入力して下さい。(絶対必要なスペースはアンダーバー(_)に置き換えて下さい)    正しい例 (×は駄目な例)    OJ287 (x CNCOJ287) 3C273 M5V42 NGC4151 PG1550+131 GD552    0623+71 (x CAM0623+71) AS338 H11(x CNCH11) (+は一般に省略しない) Wこれはハーバード符号ではなくカタログ名なので    ハーバード符号は+符号は付けません(AQL1859+16はだめ)。もし他のカタログに記載があれば(例えばAS338)そちらを優先します。 %% 比較星 他にカタログのない「比較星の疑変星」は以下のように定めます。     CYGW(65) これは W Cyg の比較星のうち6.5等のもの     MONU(60S) U Mon の6.0等の比較星の南側のもの(星名との混乱の心配がないのでここは大文字を使う)    光度不明なときは    CYGW()とします。 もちろんこんないい加減な話はないわけで、なるべく発見者仮符号を付けることを望みます(ついでながら、星名を統一したため比較星の表記法に余分な心配が無くなりました。AS338(138)と書けるわけです) 細かいことが気になる方は、後の規則をお読み下さい。 %% .STD ファイルの日付・時刻 2.日付、時刻 JST 33時間制(なおJSTとは、ここではUT+9時間の意味と定義します。かつてサマータイムが実施されていたころのデータや外国のデータはUT+9時間になるように修正してください。本来はUTを使うのが望ましいのですが間違いが分かりにくいという意見が多いためJSTとしました。9時間を引くことによりUTになるように33時制を採用しています)のベタ書きをします。年の19は省略します。(某F氏が2000年になったらどうするのかと言っていましたが、そんな先までソフトの寿命があるとは思えません。問題になったら西暦の上2桁を省略しないようにすれば済むことです)    例)1988年4月1日25時18分 -> 8804012518 ・細かい時刻の規則が気になる方がおられると思いますが、ここでいうUTとはUTC(協定世界時)のことです。歴表時・力学時・国際原子時などを使う必要はありません。 ・秒があるときは、2文字を追加します。 ・分の小数の表記はできません。秒に直して下さい。 ・High-speed photometryのできる方がおられると思いますが、秒以下については記載できません。お許し下さい。 ・時、分は省略できますがなるべく分まで入力するようにして下さい。グラフソフトなどでは分を省略すると00分、時分を省略すると21時00分と見なされます。ここで本来の時刻と表記に時刻の間にずれが生じます。例えば 21h00mとみなせば 880101 > 8801012000 ですが、文字列の大小という点では 880101 < 8801012000 となります。データベースは文字列の小さい順(strcmp関数)に入っていますので、8801012000 以降のデータを検索しても 880101 は入って来ません。グラフで体験することがありますが、日付までしか入っていないデータが1個だけの場合この理由によってグラフが出力されないことがあります。これはGRP.EXEの方のバグではなく、データ形式に内在する矛盾のためです。時刻はなるべく分までいれましょう。(なお、グラフにおいては期間を大きめに取れば出力されるようになります) ・ソフトによっては有効数字を問題にする場合がありますので、食の観測などXX分00秒のときに秒を省略しない方がよいでしょう。 ・夜半後は日付を変えずに24時、25時・・・とします。 ・JDでは入力しないで下さい。JDしかない場合は、別ソフトを使ってJSTに変換することにします。 (あまり読まなくても良いおまけ).P形式の場合、JDからJSTに変換するツールがあります。.P形式では、一行は日時から始まります。代わりにJDで書いておいてTOJST.EXEフィルタを通せばJSTになります。報文のようなJDしか書かれていない出版物から入力するために作ったツールです。 ・時刻は日心補正はしないで下さい。(というように統一しておく)。決してその天体の座標系における時刻に直さないこと。 ・写真観測など、時間をかけている場合は積分時間の中央時刻を採用してください。 %% 光度の書式 3.光度  小数1位までの光度の小数点を略したものとします。 光度の直前に付けることが出来る記号は    <(・・等以下)   >は使えません。    -(マイナス) いずれか1個 (注:その後、小数点以下1桁以上もサポ−トされた。その場合は、10.11の様に記載し、小数点を省略したこれまでの形式と混在可能。) 光度の直後に付けることができるのは    : または ? いずれか1個    および光度体系を示すアルファベット1文字 です。 %% 光度体系とその記号  光度体系のアルファベットは大文字・小文字いずれも使えます。また大文字・小文字は違うものとして扱われます。眼視観測の場合は付ける必要はありません。現在のところ、どのような光度体系をどういう文字にするかは決っていません(渡辺氏が作業中・・早く決めて下さいネ)が、いわゆる光電測光の光度体系(U,B,Vなど)はそのまま使えます。眼視光度は v で表す習慣がありますが、このデータベースが眼視観測を中心にしていることと、光電において v という体系が使われているため、眼視観測には光度体系は付けません。 「変光星No.125」にて決定された光度体系 Tri-X (no filter) t Tri-X + PO-0 (yellow-green) f T-Max (no filter) m T-Max + PO-0 e これ以外の体系を使っておられる方は渡辺氏に相談して下さい。またフィルムとフィルタのペアによっては光電のV,B,Rなどどほぼ同等の感度分布を得ることができますが、そのようなペアで観測されている方は光電の記号を使って下さい。 ・光度体系リスト(詳しくは渡辺氏により修正が加えられます) A B blue I IR J IR K IR L IR R red U near ultraviolet V photoelectric V e T-Max + PO-0 f Tri-X + PO-0 i infrared j Kodak J emulsion m T-Max p photographic r red s (reserved for step observation) t Tri-X 光階法等の「目測過程」は入力してはいけません。    正しい例) -11 57 112 140: 145? <140 125f 140:e    だめな例) +120 a3 (100)2 180:: >150 %% 観測者略号 4.観測者略号  3文字とします。1文字目が大文字、後は小文字(例 Kat)。必ず入力して下さい。(詳しくは担当者にて決定発表される予定です)  IAUCなどから入力する際、混乱を避けるためIAUと入れてもエラーにはならないはずです。 (おまけ).STDや.Pにおいて、ファイルのすべての行の最後に観測者符号を付けるツールがあります。ADDEND.EXEがそうです。例えば、符号の入っていないファイルに符号を付けるには ADDEND Kat P8812KAT.STD のように使えます。 %% CHKSTD.EXE とそのエラーコード 以上のデータが正しいかどうかチェックするプログラムとしてCHKSTD.EXEがあります。これは星名についてはチェックしませんが、他のフィールドの文法エラーをチェックします。(あくまで文法エラーだけであり、データの内容そのもののチェックはできないので注意) 他人にデータを渡す際にはせめてこれでチェックをしましょう。 使用法  CHKSTD <入力ファイル名 とすればエラー情報が画面に出力され  CHKSTD <入力ファイル名 >出力ファイル名 とすればエラー情報が「出力ファイル」に出力されます。<>の記号の意味は MS−DOSのマニュアル・解説書をお読み下さい。 エラー情報の形式は以下の通り error data XX(エラーコード) エラー行 エラーコードは以下の意味です。  コード  エラー内容   1 1行が39文字以上ある。   2   スペースの数がおかしい(余分に入っていたり、行末にスペースが          入っていませんか?またスペースをタブで代用していませんか?)   3   使ってはいけない文字が含まれている(カナ、漢字他。しかしエスケープ       文字については絶対使ってはいけないというわけではないのでエラーには       なりません)  4   先頭文字がスペースである。   5   日時のフォーマットがおかしい。あるいは数字以外の文字を含んで          いる。   6   月がおかしい。   7−9 日がおかしい。  10   時、分の数字がおかしい。  11   光度のフォーマットがおかしい。  12   観測者符号がおかしい。  20   その他解釈不能なエラー。   <付表> %% ギリシャ文字の英語表記 α alpha β beta γ gamma δ delta ε epsilon ζ zeta η eta θ theta ι iota κ kappa λ lambda μ mu ν nu ξ xi ο omicron π pi ρ rho σ sigma τ tau υ upsilon φ phi χ chi ψ psi ω omega よく間違っているのが次のような場合です。 x Cyg, o Cet 本当にこう入力している人も結構います。omi Cet もだめです。 φとψもよく間違えますよね。昔量子力学で泣かされた? GCVSではκをaとeの複合文字のように書いています。 NSVのギリシャ文字表記は特殊なので真似をしてはいけません。例えばμをMIUと書いている。これはあちらのコンピュータが大文字しか使えないため変光星名のMUと間違えないようにという配慮?である。 なお、ApJなどの論文の表題は大文字のみで書くが、MU CENと書いてあってもμ Cenなのか MU Cenなのかわからない。どちらも有名な天体であるから。 %% ロシア語疑変星名の英語表記 СПЗ SVS КЗП CSV(現在ではNSVに含まれている) この2つのカタログは極めて良く混同されている(IBVS等でも)ので注意が必要です。RASNZのチャートなどでNSV十万台のナンバーを見ますが、これは明らかにCSVナンバーで、相当するNSVナンバーに変換する必要がありますがNSVは赤経順なので探すのは簡単です。(NSVは普通ロシア語では書かないようです) どなたか、各種星図の(var)のNSV、BDの調査をしていただけませんか? %% .P 形式 b).P形式 .P形式は.STD形式データのアルファベット順に並べ換え(正確にはアスキーコード順)同じ星名のものをまとめて(多くはアスキーコード順、又はGCVS順)#星名というヘッダーを付け、各データ行から星名を除いたものです。(他の人とデータの交換をする場合などにデータ容量が.STD形式よりかなり少ないのでその点は有利ですが現在ではその必要はないでしょう) またいくつかのフィルタは.P形式を要求します。入力の一時的な形式としては便利です。 また TOJST, TOJD, UTTOJST などの時刻形式変換フィルタの入力形式として使われます。 %% .STD 形式から.P 形式への変換 .STD形式から.P形式への変換は  PACK <.STDファイル名 >.Pファイル名 にて変換できます。ただし.STDファイルはすでに同じ星が連続して並ぶようにソートされていなければなりません。 %% .P 形式から.STD 形式への変換 逆変換は  UNPACK <.Pファイル名 >.STDファイル名 にて変換できます。他の人から.P形式データをもらって(あるいは.P形式で入力して).STD形式データに変換したいときは後者を使えばOKです。 %% .D 形式 c).D形式 <以前から使っておられた方への注意点> ノートからの入力を容易にするため(単に観測がいいかげんになったためとも言われるが)、以前のPP.EXEはPP1.EXEにバージョンアップされました。主な変更点は: ・観測者符号を指定できる ・コメントが書ける。また任意の場所に空行を置ける。 ・時刻をすべての観測に対して書く必要がなくなった。時刻のない観測は前後の時刻から計算して求められる。(実にいい加減な話だ) ・オプションでソート(つまり PP | SORTと同じ)、文法チェック(つまりPRECHKと同じ)、VARTYPEデータベースにすでに登録されているかどうかのチェック(星名入力ミスのチェックのためNEWSTLをする手間が省ける)ができます。 %% PP1.EXE のための.D 形式入力法 (以下の解説はPP1.EXEに対応しています。PP1.EXEはPP.EXEにほとんど完全に上位互換となっていますが、わずかの非互換部分があります。そのためPP1.EXEでうまく処理されない古い.D形式はエラーになる部分だけ書き直して下さい。またPP.EXEは一応システムに残しておきます。)  ノート入力の形式です。観測者が自身のノートから入力する場合などに有効ですが、すでにまとめられたデータを入力することはできません。 各行は次の3つに分類できます。 1.制御行(#で始まる)    日付を示す #D881201 (スペースは入れない)    Z"date"のD    観測者符号を示す #OKat Z"observer"のO 観測者符号はファイル1個につき1回だけ有効です。なくてもエラーにはなりませんが、必ず入れるようにしてください。 今後の機能アップは制御行の種類を増やすことになると思われます。 2.データ行    基本形式    2315ANDRX 123   時刻 星名 光度  各フィールドは.STD形式と同じ方法で入力して下さい。時刻と星名の間のスペースは不要。星名と光度の間はスペース1個。観測者名は不要です。  時刻は省略可能です。PP1.EXEが前後の観測から計算します。(ただし分の単位までです。) 時刻の記録を数目測に一回しかしない(あるいは某氏のように観測の最初と最後だけしか記録しない)方は自分で計算せずにぜひPP1.EXEを使ってみて下さい。 3.コメント行    ;で始まる行はコメントとみなされます    単にリターンだけの行(空行)もコメントとみなされます %% .D 形式の圧縮記法  .D形式の圧縮表記   同じhour、星座名が続くときは、それをスペース1個にて代用できます。但し#Dが使われるとその前のデータのhour、星座名は無効になりますので、#Dの後は必ずhour、星座名を入力して下さい。時刻省略と混在させることもできます。 標準表記 圧縮表記 #D880601 #D880601 #OKat #OKat 2230LYRAY <133 2230LYRAY <133 2231LYRLL <131 31 LL <131 2233LYRCY <132 33 CY <132 2305CYGSS 120 2305CYGSS 120 2306CYGW 62 06 W 62 2307AQLUU <131 07AQLUU <131 2400AQLKX <125 2400 KX <125 AQLFO <135 FO <135 SCTR 55 SCTR 55 2410AQLV603 118 10AQLV603 118 #D880602 #D880602 2315AQLUU <131 2315AQLUU <131 慣れないうちはなるべく左のように打ったほうが良いでしょう。  星名が数字で始まっていて時刻と区切れないときには星名の前に/を付けます。星座名のない星には星名の前に/を付ける習慣を付けると良いでしょう。   例) 2312/3C273 130   2314/Case1 129: /を付けないと「カシオペア座 e1」とみなされる。 %% .D 形式から.STD 形式への変換 .D→.STD変換は次のように行います。 @ソートされない.STD形式にする場合。   PP1 <.Dファイル >.STDファイル名 Aアルファベット(アスキー)順にソートする場合。   PP1 -S <.Dファイル名 >.STDファイル名 (注)PP1.EXEでソートできるファイルの大きさには制限があります。あまり一年分とかまとめないで、一月毎に一個の.Dファイルにしましょう。 ソートは@を行った後、外部コマンドで行うこともできます。その際のSORT.EXEはMS−DOS付属のものを使って下さい。MS−DOS Ver3.1のSORT.EXEは正しく動作しないものがありましたので、Ver2.1のものが良いでしょう。(Ver3.3は調べていません)但しMS−DOSのSORT.EXEは64KB以上のファイルをソートできませんので、1回の.Dファイルは1000目測以内にした方がよいと思います。本システム付属のXSORT.EXEは空きメモリーの大きさによりますが、64KB以上のデータのソートが出来ますので利用して下さい。 BNTKに準ずる形式にソートする場合。   PP1 <.Dファイル名 | P1 | SORT | P2 >.STDファイル名 @−B何れで作られた.STDファイルを使っても、データベースに組み込むことができますが、A,Bの方が一般に速くマージできます。 %% .STD ファイル間の相互変換 (付録).STDファイル間の相互変換 上記 @→A SORT(またはXSORT)を通せば良い。    B→A 同上    @→B P1,SORT,P2をこの順に通せば良い。    A→B 同上    @に戻す方法はありません。  観測者符号のない.STDファイルに(主に古いファイルです。また.Dファイルに観測者符号を指定せずにPP1を通すとこうなります)観測者符号を付ける方法。   ADDEND 観測者符号  を通せば良い。 変換コマンド(フィルタ)マニュアル %% PP1.EXE PP1.EXE   PP1 [errorout] [options] outfile .Dファイルから.STDファイルを生成します。  エラー出力はerroroutに出力されます。普通はファイル名を書きます。省略すると標準エラー出力(画面)に出力されます。   エラーがない場合 実行後DOSへの戻り値 ERRORLEVELは 0       あった場合         ERRORLEVELは 1 を返します。バッチファイルにてエラーがあったかどうかの判定に利用できます。 [options] には以下のものが使用できます。(大文字・小文字いずれも可能。また複数個同時に指定できます。ただしその場合は各オプションを別々に分けて間にスペースを入れて下さい。例えば -C -N のように) -C チェックのみを行い、変換結果は出さない(erroroutに nulを指定するのと同じですが、こちらのほうがずっと速くなります) -N 普通 -C と共に用いられます。VARTYPEデータベースを参照し、登録されていない星があった場合に出力します。星名入力ミスのチェックなどに有効でしょう。VARTYPEデータベースは環境変数 SYSにて指定されたディレクトリに置いてあるものとします。(以後、単にVARTYPEデータベースといえばこの意味です) SYS が設定されていない場合はカレントディレクトリにあるものとみなされます。VARTYPEデータベースが存在しない時にはこのオプションは無視されます。またこのオプションを指定するとメモリをたくさん使いますので、次の -S オプションとは同時に使わない方が良いでしょう。またデフォルトのVARTYPEデータベース以外を用いてチェックをする際には -N の後にそのまま続けてそのファイル名を書くことができます。(例) -NA:\MYSTAR(この例では A:\MYSTAR というデータベースを参照する) 通常のVARTYPEデータベースと別に、自分が観測している星だけを入れたデータベースを作成して、PP1処理の際にそちらを参照するようにすれば、星名の誤入力がかなり防げます。 -S 出力結果をアルファベット順に並べ替えます。実際にソートできる目測数はメモリにより制限を受けます。メモリ不足のエラーが出る場合は.Dファイルを分割してください。 -F 入力ファイルをリダイレクト(<)ではなく、ファイル名として与えます。たとえば PP1 -FKAT8812.D >KAT8812.STD のように使います。このオプションを指定するとエラー出力の形式が変化します。また入力のリダイレクト(<)は無視されます。 なお、PP1.EXEは光度の後の「光度システム」はサポートしていません。 %% PP.EXE PP.EXE   PP [errorout] outfile .Dファイル(時刻省略・観測者指定はできません)から.STDファイルを生成します。古いバージョンで、PP1.EXEの機能のうちいくつかが入っていません。以前のDBVSバージョンに入っていたので、今回も一応残しておきます。 エラー出力はerroroutに出力されます。普通はファイル名を書きます。省略すると標準エラー出力(画面)に出力されます。   エラーがない場合 実行後DOSへの戻り値 ERRORLEVELは 0       あった場合         ERRORLEVELは 1 を返します。バッチファイルにてエラーがあったかどうかの判定に利用できます。 %% P1.EXE %% GCVS 順のならべかえ P1.EXE P1 outfile .STDファイルを読み込み、星名がGCVS順に並ぶような中間コードに変換します。「.STD形式はGCVS順でなければ気持ち悪い」という方以外は使う必要はありません。単独で使われることはまれで、一般的にはこの逆変換をするP2.EXEを組合せ、P1 outfile のように使います。(これはGCVS順に並べる方法です).STD形式に慣れてくるとANDARの方がANDRXより先にないとあれっと思うようになります。要は慣れです? 最近はGCVS順のリストに違和感を覚えるようになった。なおAsApの総索引は変光星もGCVS順でなくアルファベット順です。研究者にとってはこのほうが分かりやすいのでしょう。 %% P2.EXE P2.EXE P2 outfile P1.EXEの逆変換をします。 %% PX.EXE PX.EXE   PX [errorout] outfile PPと同様の書式です。PP | P1 と等価な動作をしますが、PP.EXEがPP1.EXEにバージョンアップされたため、現在では特に使用価値はありません。PP1 | P1 の方が良いでしょう。 %% PACK.EXE PACK.EXE   PACK outfile 星別にまとめられた.STDファイル(例えばアルファベット順にソートされたもの、あるいはGCVS順など)を.P形式に変換します。それ以外の.STDファイルをPACKしても意味がありません。 %% UNPACK.EXE UNPACK.EXE UNPACK outfile PACK.EXEの逆変換をします。.P形式で入力したものを.STD形式に変換する時などに利用します。 %% PY.EXE PY.EXE PY outfile   P2 | PACK と等価な動作をします。 P1,P2,PY,PACK,UNPACKのMS−DOSへのERRORLEVELのリターン値は特に決っていません。 %% ADDYM.EXE ADDYM.EXE   ADDYM ym outfile .STDファイルまたは.Pファイルを変換します。最初が#で始まっていないすべての行の先頭にymで示される文字列を付加します。ただそれだけのつまらないフィルタです。.Pファイルの入力時に何年何月という部分を省略する際に使います。 %% ADDEND.EXE ADDEND.EXE   ADDEND code outfile .STDファイルまたは.Pファイルを変換します。最初が#で始まっていないすべての行の行末にスペースを一つ入れてその後にcodeで示される文字列を付加します。一般的に観測者符号の付いていない.STDまたは.Pファイルに観測者符号を付加するのに使います。 %% NEWSTL.EXE %% 星名チェックの方法 NEWSTL.EXE   NEWSTL outfile] .STDファイルのうち、VARTYPEデータベースに登録されていない星の星名をリストします。使い方はPP1.EXEの -N オプションと同様ですが、データベース名の指定はできません。すでにできあがった.STDファイルの入力ミスのチェックや、新規観測星をリストアップするに使えます。 %% NEWSTP.EXE NEWSTP.EXE   NESTP outfile] NEWSTLと同様の働きをしますが、infileは.P形式です。 %% SETTYPE.EXE %% 変光タイプの設定 SETTYPE.EXE   SETTYPE starname type VARTYPEデータベースに変光タイプを登録します。typeに-dを指定すると、その星の情報は削除されます。 (例) SETTYPE ANDRX UGZ すでに登録されている星の場合、書換えられますが、一応LOOKTYPEで確認してから行った方がよいでしょう。データベースコマンドを使って書き換えることもできます。例えば: %% VARTYPE の修正法 (その1)VIEW VARTYPE のように、VIEWコマンドを使って追加・修正・削除をする。SETTYPEよりはたくさんの星を修正するのに向いている。 %% 変光タイプデータベースの書式 (その2)VARTYPEの一行の形式に合わせたファイルを作り、MRG VARTYPE+file のように一括マージをする。重複している星は二重に登録されるので熟練者むき。VARTYPEの書式は LIST VARTYPE にて読むことができるが、次のようになっている。 ANDR M ANDS SNI ... .STD同様の星名の表記のあとにスペースを一個あけて変光タイプを記入します。変光タイプにはスペースを含んでいてはいけません。また一行の長さは39文字までです。 (その3)LIST VARTYPE >VARTYPE.LST として、エディタで VARTYPE.LST を修正し、VARTYPEデータベースを再構成しなおす。GCVSを見ながらたくさん入れる時はこの方法が便利でしょう。(VARTYPEデータベース構築法については別記) %% LOOKTYPE.EXE %% 変光タイプを調べる LOOKTYPE.EXE   LOOKTYPE [starname(s)] VARTYPEデータベースのうち、starname(s)で指定される星の情報を出力します。starname(s) は複数個指定できます。データベースに登録されていなければ何もしません。 (例)LOOKTYPE ANDR LOOKTYPE CYGSS PEGRU また、オプションを付けずに起動するとキーボードから星名を入力するとそのタイプを表示するようになります。例によって終了は^Z+リターンです。標準入力からの取り込みですので、リダイレクトでファイルから読むこともできます。 (例)LOOKTYPE outfile] NTK報告用紙に似たレポートを出力します。infileはソートされた.P形式でなくてはいけません。このソフトも一世代前のもので、現在は利用価値はあまり(まったく)ありません %% SELTYPE.EXE %% .STD ファイルより、あるタイプの星を抜き出す SELTYPE.EXE   SELTYPE typefile outfile .STDファイルのうちから、指定された変光タイプのものを抜き出して、標準出力に出します。各星の変光タイプについてはVARTYPEデータベースを参照しますので、VARTYPEデータベースが使える状態になっていることが必要です。 VARTYPEデータベースに登録されていない星に出会ったときは、無視しますので、あらかじめNEWSTLなどで登録もれの星がないか調べて下さい。 抜き出すべき変光タイプはあらかじめtypefileに入れておきます。例えば: ファイル[MIRA.TYP] M* ファイル[CEP.TYP] DCEP* CW* CEP* のようなファイルを作っておいて、 SELTYPE MIRA.TYP outfile とすれば、ミラ型だけを抜きだします。たくさんの.STDファイルからの抜き出しは、<おまけ>に書かれた方法を応用してみて下さい。CEP.TYPはケフェイドの例です。変光タイプの中の*はワイルドカードで、任意の文字列に一致します。例えばMIRA.TYPの例では、変光タイプが M, M:, M? などに一致します。CEP.TYPでは DCEP, DCEPS, CWA, CWB, CEP などに一致します。それゆえ、変光タイプの設定(SETTYPEなど)では*記号を使わないで下さい。特殊星はpecと入れるのが良いでしょう。MS−DOSなどでさかんに使われるワイルドカードとして?がありますが、型未知の変光星を示すのに日常的に使われているためワイルドカードとしては使えません。注意してください。 また、VARTYPEデータベース中の区切り文字としては / と + が使えます。というより、その記号のところで分割され、複合タイプとして取り扱われます。例えば UG+E UG あるいは E いずれの検索にも適合します。 EA/D/RS E 以外にも RS 型としても検索できます。 ワイルドカードが問題になることがあります。新星を選択するために N* としてしまうと、NL も入ってしまいます。この場合には N N: N? NA* NB* NC* NR* として NL の混入を避けることができます。  なお、このSELTYPE.EXEはフロッピーで実行すると(ハードディスクでもそうだが)プログラムがアホなので異常に時間がかかります。こういうコマンドを使わなくても良いようにデータベースというものがあるのだから、このコマンドに頼る方が悪いのです。とは言ったものの解決法を考えねばなりません。結局はVARTYPE(小型版のほう)をRAMディスクに置くことです。「RAMディスクなんて持っていない」という人はこのコマンドを使う時だけメインメモリの一部を借用しましょう。 <おまけ> %% .STD ファイルからある星を抜き出す たくさんの.STDファイルからある星だけを抜き出す方法  まず、次のバッチファイルを作る  <F.BAT> FIND "%1 " <%2 >>%3 (スペースに注意)  そして、もしB:のすべての.STDファイルからANDRXを抜き出し、ANDRX.STDというファイルに格納する場合は、MS−DOSのFIND.EXE(FIND.COM)を現在のドライブに用意しておもむろに次のように実行する: DEL ANDRX.STD FOR %F IN (B:*.STD) DO COMMAND/CF ANDRX %F ANDRX.STD MS−DOSに習熟すればBASICでプログラムを組む必要はほとんどありません。 %% CHGCODE.EXE %% 観測者符号の付けかえ CHGCODE.EXE   CHGCODE codelist outfile .STDファイルの観測者符号の付けかえをします。(.DBFの書換えはできない・・.DBFの符号変更をする際にはいったん全データを.STDファイルに書き出してからそれをCHGCODEし、.DBFを再構成すればよい)符号が変更された時などに使えます。codelist の書式はoldcode newcodeからなる行の集まりです。oldcode, newcode共に3文字略号で、間に1個のスペースを入れます。例えば: [NHK.CODのファイル内容] Kiy Kis Mym Myy のようにして CHGCODE NHK.COD NHK8801.STD このフィルタを使えばエディタで一つずつ変換していくより効率よくできます(特にたくさんの観測者のデータを合わせたものなど) %% CNT.EXE CNT.EXE   CNT outfile] 一人の1カ月の.STDファイルを読み込んで、観測夜数、星数、目測数が出力されます。もとの.STDファイルはソートされていなければいけません。(アルファベット順またはGCVS順) 入力ミスのチェックをこれだけで済ませようというのは安直過ぎます。 %% COUNTSTD.EXE COUNTSTD.EXE   COUNTSTD outfile] CNT.EXEと同様ですが、複数の観測者からなる.STDファイルで、観測者別の目測数のみを出力します。もとの.STDファイルは1カ月分でなくてもよく、またソートされている必要もありません。 %% NLINE.EXE NLINE.EXE   NLINE outfile] .STDファイルの行数をカウントします。くだらないフィルタで、初級Cの練習問題のようなものです。エディタを起動するよりましでしょう。 %% SAME.EXE SAME.EXE   SAME outfile] ソートされた.STDファイルに同じ行がないか調べます。星名、観測日時まで一致していれば同じ行とみなします。同じデータを2回ずつ入力しても気が付かない人向きです。この手のフィルタは大抵市販されており、ASCIIの software tools なんかに入っています。興味ある方は購入されるとよい。 %% SUMMARY.EXE SUMMARY.EXE   SUMMARY [m n] outfile] これもREP.EXEと同様にサマリーを出力します。infileは.P形式です。m n はそれぞれ一行に何個のデータを出力するか、1ページに何行出力するかを指定するときに使いますが、画面への出力の際には m=5 が適当でしょう。プリンタに出力する際にはプリンタの印字幅に合わせて適当に設定します。最近は他人にデータを送る際も.STD形式をそのままフロッピーで、ということが多く、このコマンドも過去のものとなっています。 %% CHKSTD.EXE CHKSTD.EXE   CHKSTD outfile] .STDファイルの文法をチェックします。データベースに組み込む前、他人にデータを送る前にこのフィルタで必ずチェックしましょう。エラーは標準出力に出されますので、リダイレクトしてファイルに書き込むことができます。エラーコードの意味については、すでに説明ずみです。(どこに書いてあるかよくわからないだろうなあ) %% MRGTOSTD.EXE %% 秋田形式から.STD 形式への変換 MRGTOSTD.EXE   MRGTOSTD Code outfile 秋田形式の.MRGファイルを.STDファイルに変換します。.MRG形式は観測者コードを持っている場合(なお.MRG形式の観測者コードについては秋田ソフトのうち「個人用ソフト」にははっきりとした取り決めはない)とそうでない場合がありますので、.STDに変換の際に付加すべき観測者コードをCodeに書きます。(観測者コードがすでに付加されている場合はダミーのコードを適当に書いておいて下さい) (例)MRGTOSTD Wnm P8801WNM.STD このフィルタで.STDファイルを作った場合、次のような問題があります。 ・.MRGファイルにおいては、星名は秋田形式独自の中間コードで書かれています。それを.STD表記に変換する際に必ずしも100%変換されるとは限りません。秋田ソフトが中間コードを公開していないため、1987年度に広沢氏のところへ報告された星名についてのみ正しく動作することをチェックしました。今後うまく変換されない例が出てくるかも知れません。 ・もとの観測の時刻の精度にかかわらずJSTの分まで出力します。つまり秒のデータはもしあったとしても失われます。 ・光階法の観測のみが書かれていて、光度が計算されていない目測は無視されます。 %% ALIAS.EXE %% 同星異名の設定 ALIAS.EXE   ALIAS oldname newname  同じ星がいくつもの名前を持っていることはよくあることです。例えば新星のように発見時と登録時で名前が違うことがあります。それらの名称の管理を行うプログラムです。まず、このプログラムを使う時にはALIASデータベースが環境変数SYSの示すディレクトリになくてはいけません。(環境変数SYSが指定されていない時はカレントディレクトリ) ない場合にはINITTREEにてALIASデータベースを初期化して下さい。(データベースの項を参照のこと)  実際の使用は以下のようにします。 ALIAS VULnova1984-2 VULQU ALIAS AQL185916 AS338  設定の取り消しは新しい名前を - にします。 (例)ALIAS AQL185916 - たくさんの星を登録する場合にはSETTYPEの解説にあるようにしてALIASデータベースを変更します。 ALIAS.EXEは基本的にデータベースコマンドなので、途中で^CやSTOPすることは不可です。 %% CALIAS.EXE %% 同星異名の変換 CALIAS.EXE   CALIAS outfile ALIASデータベースを参照して.STDファイルの変光星名の置換を行います。また、単にCALIASと入力した場合はキーボードから星名を入れて新しい名称を知ることができます。この場合^Zを押してリターンすれば終了します。  当然、新しい名前がさらに改訂されることがあるわけで、CALIASはそれを9レベルまでサポートしています。かりに次のような例があったとします。 ALIAS AQL185916 AS338 ALIAS AS338 AQLV1500 ここで、CALIASでAQL185916の新しい名前を調べるとAQLV1500と表示されるはずです。9レベル以上になった場合はエラーにもならず、いい加減な名前になります。これはプログラマの怠慢によるものです。 ・ALIASを実行しても、変光星データベース本体のデータには変更は加えられません。データベース内の物理的なデータの書換えはVREN.EXEを使って下さい。 ・ALIAS機能が有効なのはCALIASコマンドとVMRG.EXEに-aオプションを付けた時ぐらいです。あまり有効ではありませんがないよりはましでしょう。 %% XSORT.EXE XSORT.EXE   XSORT outfile 単にアルファベット順にソートするフィルタです。MS−DOSのSORT.EXEよりすぐれているのは、64KB以上のファイルでもメモリの上限まで使ってソートできること、動作が多少速いことです。.STDファイルのソートはこれで十分でしょう。 %% SORT.EXE SORT.EXE   SORT [options] outfile MS−DOSにも同じ名前のコマンドがあります。これは64KB以上のファイルをソートできるように改善したつもりですが、設計がバカでした。実行すると最初にMS−DOSの全メモリを横取りしてしまいます(ソートすべきファイルが小さくても)。ここまで書けばわかる方もおられるでしょうが、このSORTを実行すると大抵終了後MS−DOSはcommand.comを再ロードします。(command.comの領域まで使ってしまうので)。ゆえにcommand.comは再ロード可能なところにある必要があります。(これは、他のソフトでメモリを使い果たした時も同じです。) 再ロードできないとMS−DOSは「COMMAND.COMがありません」とかいうような不快なメッセージを出し、ディスクを入れ換えるよう要求します。RAMディスク(特に本体RAMを転用されている時)でやってる時にはディスク交換なんかできるはずもなく、泣く泣くリセットというはめになります。必ずCOMMAND.COMは再ロード可能な所に置いておきましょう。  ついでながら、フロッピーを入れ替えながら作業をしているとバージョンの違うCOMMAND.COMの入ったディスクの上で実行してしまうことがあります。この場合も「COMMAND.COMのバージョンが違います」といってMS−DOSは怒ってしまいます。DOSのバージョンアップの際には気を付けましょう。  さらについでに、COMMAND.COMが再ロードされるとキー入力の「テンプレート」が消えてしまいます。f3キーを押して同じことをもう一度させようと思っても何も出ず、不快です。まあ、テンプレートを使っているような人は相当マニアでしょうから、(実は筆者はまともなエディタのないMS−DOSマシンでEDLIN.EXEを使ってプログラミングをしていたのでずいぶんとテンプレートのお世話になりました)。何もこのような制約の多いSORT.EXEを使わなくても自分で作ったのを持っているでしょう。 と言い訳を書いてからオプションの説明です。 /R  アルファベット逆順に出力します。 /+n 先頭からn文字目以降を対象としてソートします。 /Fn スペース1個で区切られた「フィールド」(ちょうど.STD形式に合わせてある)のうちn番目のフィールド以降を対象にソートします。  /R と /+n はMS−DOSのSORT.EXEにもありますが、/Fnは.STD形式独自のオプションです。例えば.STDファイルを日時順に並べるには: SORT /F2 ARM8810.TIM とでもすればいいことになります。これをすればある観測者がどのようなパターンで観測をしているのかがわかってしまいます。生活の実体がわかる恐ろしいコマンドです。(だいたい観測する順序を見ればその人の人柄がわかります−OBSTIME.EXE参照のこと) なお、SORT.EXEではTurbo−Cのqsort関数を呼んでいますが、これが再帰関数のくせにスタックチェックを行っていないため、変なオプション(例えば/F5のようにそういうフィールドがない・・とか)をつけて無理にソートさせるとスタックオーバーフローを起こして暴走してしまいます。困ったものです。(これを俗に再帰不能というそうです)。XSORT.EXEでも同じルーチンを呼んでいますが、こちらはオプションを付けないので、よほど同じデータの多いファイルをソートしない限りオーバーフローにはならないでしょう。 ほとんど良いところのないこのSORT.EXEのましな点はディスクをワークエリアとして使用しないことでしょう。そのため、ディスク容量の気になるフロッピーでは有効かも知れません。そのかわり扱えるファイルの大きさはメモリに依存します。 %% ソートの特殊テクニック  ハードディスクなどで、数メガバイトといった非常に大きな.STDファイルをソートすることができます。つまり、一時的なデータベースを作り、それに目的の.STDファイルをマージして、そのデータベースをLISTコマンドにて他のファイルに出力すればアルファベット順になります。おそまつでした。 %% GRSAVE.EXE GRSAVE.EXE   GRSAVE filename 現在のグラフィック画面を(白黒とみなして)filename という名前でセーブします。この際多少の圧縮をしています。SAVE機能のないソフトでどうしてもセーブしたい場合に使います。 %% GRLOAD.EXE %% .GRP ファイルを見るには GRLOAD.EXE   GRLOAD filename GRSAVE.EXEや、グラフコマンドでSAVEしたグラフを画面に表示してキー入力待ちになります。Lを押せばLarge copy、Sを押せばSmall copy、リターンすればコピーしません。他人から送られてきたグラフを見る(コピーをとる)時に使います。 %% OBSTIME.EXE %% プライバシーの侵害 OBSTIME.EXE   OBSTIME filename 一ヶ月の.STDファイルを読み込み、その観測パターンをグラフィック表示するプログラムです。縦軸に日付、横軸にJSTをとり、観測の行われた点にプロットします。プロットは最初青い点で行われますが、点が重なるにつれて白っぽくなります。某観測者の IP Peg などでは白い線になるのですぐわかります。  ここまで読んで、このプログラムの恐ろしさを認識できない人は、ちょっと鈍感だと言えます。自然現象を忠実に記録したものであるはずの変光星観測データから、その人の生活習慣まで明らかにされてしまい、はっきりいってプライバシーの侵害です。だいたい変光星観測者というものはは、他の観測者の動向について異常に詮索したがり、何かの機会に他人のノートを見る機会があれば「病気だ」「狂っとる」といいたがります。また自身の観測が「病的」と判定されることに誇りを持つものです。  なお、このプログラムはフィルタとして使うではなく、第一パラメータに.STDファイル名を与えます。終了後はキー入力待ちになるので、リターンを押せば終わります。プライバシー侵害を最小にとどめるため(?)ハードコピーの機能はありません。(もちろんちょっとした工夫でプログラムを組まなくてもハードコピーがとれる) %% OBSYEAR.EXE OBSYEAR.EXE OBSYEAR filename OBSTIME.EXEを一年分に拡張したものです。実際には、ある人の一年分の.STDファイルを一つにまとめ(COPYコマンドで容易)、あとはOBSTIMEと同じ使い方をします。誰かさんはX月に忙しいとか、貴重な家族団らんの時間とかがたちどころにわかります。 %% MAGCNT.EXE MAGCNT.EXE   MAGCNT filename [>outfile] .STDファイルを読み込み、一等刻みの光度分布を出力します。0.1等刻みにすると某I氏らのいいがけんな観測がばれてしまいますので、こうしました。見えたという観測と「何等以下」という観測を分けて出しますので、どの程度病的か判定できます。 これもフィルタでなく、第一パラメータとしてファイル名を与えます。 %% HANTEI.EXE HANTEI.EXE   HANTEI outfile] .STDファイルからその人の観測時間の合計を計算します。.STDファイルは時刻順にソートされている必要はありません。ここで、となりあう2目測の間が10分以下ならば連続した観測、10分を越える時は観測時間は10分とみなされます。導入に10分以上かかっている人は残念ながら評価されません。STD形式でないファイルでは意味のない値が出るだけです。 %% TYPECNT.EXE %% タイプ別観測数 TYPECNT.EXE TYPECNT outfile] .STDファイルを読み込み、VARTYPEを参考にして、タイプ別の目測数をリストします。アホなソフトです。タイプの種類に限界がありますのであまり種々雑多なタイプを含んでいる場合にはできません。1988年11月のファイルより作ったものを示します。(一部観測者は含まれず) ? 70 Be 16 CST: 31 (以下略) タイプ別に整理すると以下のようになります。 爆発型 (eruptive) FU 10 GCAS 99 I,IN 431 RCB 299 RS 17 SDOR 35 UV 13 小計 904 10.6% 脈動型 (pulsuating) DCEP 140 L 208 M 1285 RR 1 RV 335 SR 771 小計 2740 32.1% 回転型 (rotating) DS 1 小計 1 激変型 (cataclysmic) CV 91 N 274 NL 192 NR 36 UG 3554 ZAND 350 小計 4497 52.7% 食変光星 (eclipsing) E 198 2.3% X線源 X-ray 28 0.3% その他 AGN 15 PN 44 IR 11 CST 31 ? 70 小計 171 2.0% 合計 8539 激変星と爆発星を合わせると 63.3% になります。 脈動星は 30% を越えており、一応安心というところでしょうか。短周期星は食と短周期脈動星を合わせてもわずかです。なおこれにはH氏などが入っていないのでZANDなどは少な目になっています。 %% STARCNT.EXE STARCNT.EXE  これまでのソフトが悪趣味なものが多い中、まじめなソフトです。ソートされた.STDファイルから星別の目測数を出力します。この際VARTYPEデータベースを参照します。この結果を SORT /+30 /R にてソートすれば目測数の多い順に出てきます。 STARCNT outfile サンプル %% 1988年下半期の星別目測数(1988.7−12) (タイプは古いVARTYPEによっていますので間違いやもれがあります) SS Cyg (UGSS) 574 やはり SS Cyg は強い! IP Peg (UGSS+E) 360 これは少し異常。食の観測がないのに RX And (UGZ) 318 これは妥当 RU Peg (UGSS) 312 これも VY Aqr (UGSU) 311 少し異常 χ Cyg (M) 287 ミラ型のトップでした R CrB (RCB) 260 時期が悪かった? CH Cyg (ZAND) 259 人気あり R Sct (RVA) 252 RVではトップ SS Aur (UGSS) 248 妥当 HT Cas (UGSU+E) 240 異常 DX And (UG) 227 異常 TY Psc (UGSU) 225 異常 ο Cet (M) 225 χ Cyg に負けました AR And (UGSS) 224 ファン増加 AF Cyg (SRB) 221 SRのトップ。グラフは汚いが WZ Sge (UGSU+E) 219 異常 RZ Sge (UGSU) 218 異常 SU Tau (RCB) 214 妥当 GK Per (NA) 209 こんなものでしょう FG Sge (PN) 207 こんなに多かった? PU Vul (ZAND) 200 なかなか好評 AY Lyr (UGSU) 197 暗いのにねえ T CrB (NR) 193 Rに比べてなぜこんなに差があるの? UV Cas (RCB) 190 妥当 SV Sge (RCB) 190 ファン増加 UV Per (UG) 190 異常 EF Peg (UG) 184 日本だけの特異現象 Z And (ZAND) 180 異常 LL Lyr (UG) 179 暗くて見えないのに U Ori (M) 176 ほっとしますねえ P Cyg (SDOR) 176 目測かせぎに最適 EM Cyg (UGZ) 175 あまり変光しません CI Cyg (ZAND) 172 人気あり WW Cet (UGZ) 171 突然メジャーな星に W Cyg (SRB) 169 もっと多いと思ったが V Vul (RVA) 166 意外に多い EY Cyg (UG) 164 異常 TZ Per (UGZ) 163 見やすいのでいいでしょう DF Cyg (RVB) 162 増えました AM Cas (UG) 159 意外に多い V482 Cyg (RCB) 158 減光中だから当然か U Mon (RVB) 157 ちょっとシーズンに早いので AC Her (RVA) 156 こんなものでしょう UU Aql (UGSS) 154 妥当 Z Cam (UGZ) 151 もっと見ましょう WX Cet (UG) 151 異常 KT Per (UGZ) 147 もっと見ましょう CY Lyr (UG) 146 この星は暗い T Cet (SRB) 145 割合メジャー BF Cyg (ZAND) 145 意外に多い R Cas (M) 144 さすが有名スター KX Aql (UG) 142 異常 FO And (UGSU:) 142 異常。こんな星簡単に見えません U Gem (UGSS+E) 139 まだ少し早いので R Aqr (M+ZAND) 139 ZANDのつもりの人がいるので RS Oph (NR) 137 シーズン終わりのせい VZ Aqr (UG) 136 これも本来はマイナー V630 Cyg (UG) 134 典型的マイナーなんだが V360 Cyg (RV) 134 もっと見ましょう V811 Cyg (UG) 133 こんなに多いはずはないのだが? V632 Cyg (UG) 132 同上 KU Cas (UG) 130 これもね IR Gem (UGSU) 130 シーズンが良くなれば増えるでしょう VW Vul (UGSU) 129 ちょっと無視されていますね R Sge (RVB) 129 RVは強い! V1329 Cyg (ZAND+E) 123 多いですねえ V1376 Aql (EA?) 122 もっとまともなのを見ましょう HM Sge (ZAND) 119 これも DM Lyr (UG) 118 こんなにメジャーだったっけ? X Per (IN) 117 変光しません CM Del (UGZ:) 117 意外に多いですねえ AQ Eri (UGSU) 117 こんなものかな WW Vul (ISA) 115 ファンが増えました CZ Ori (UGSS) 114 こんなものでしょう UW Per (UG:) 111 いくら待っても来ないでしょう FO Aql (UG) 111 もっとまともなものを見ましょう FO Per (UGZ) 111 同上 SS Gem (RVA) 108 観測数はあってもグラフは汚い AF Cam (UG) 108 妥当かな U Aqr (RCB) 107 適当でしょう AS338 (ZAND+E) 106 まあまあ U Del (LB) 102 意外に多い EU Del (SRB) 102 同上 nova1988 And (UG:) 101 アホの見る星です V503 Cyg (UGSU:) 100 SUと信じる人が悪い V795 Cyg (UG) 99 もっと見ましょう (以下略) %% TOJD.EXE TOJD.EXE  TOJD outfile 通常の.P形式のファイルを時刻フォーマットがJDになったファイルに変換します。JDの精度は小数第4位です。 使用例)XSORT P8902WNM.JD %% TOJST.EXE TOJST.EXE TOJST outfile JD形式で書かれた.Pファイルを通常の.P形式に変換します。詳しくは入力方法のところを参照。 %% UTTOJST.EXE UTTOJST.EXE  UTTOJST outfile UT(日付の小数)で書かれたデータ(.P形式に準じる)をJST形式に変換します。海外のデータやIAUCを入力するのに使えます。 %% UT(日の小数)のデータの打ち込み (データ例) P.Schmeer の1989年2月のデータ #ANDRX 10.85 <121 14.840 109 #AURSS 10.813 126 26.913 <125 (中略) #VULPU 17.158 97 これ(P8902SCP.P1)を、例えば次のようにすれば.STD形式になる UTTOJST P8902SCP.STD もちろん、年月を省略しないで打ってもよい(その場合 UNPACK は不要) %% ED.BAT (付録)ED.BAT  エディタFINAL(Ver1.0のみ実験済・・いい加減な実験だ)を利用して.D形式データを入力するバッチファイルですが、PP1.EXEが便利なため過去のものとなりました。一応残しておきます。 使用方法   ed ファイル名 観測者符号 [オプション] [オプション]については使用するエディタによってコマンドライン引数を書き換えて下さい。ファイル名には.Dを付けてはいけません。 観測者符号は大文字、小文字を正確に。 オプションはD,T,DTのいずれかで、Dは日付順序のエラーを報告しない。Tは時刻順序のエラーを報告しない。DTは両方共報告しない。 .D形式のデータを入力しセーブします。(FINALではf1メニューにあります) するとチェックルーチンが起動されエラーがあればエディタの画面に戻ります。エラーがあった場合の画面は2分割され、下半分(またはインストールにより右半分)に、エラーが出ます。エラー画面にはファイル名、行番号とエラー内容が出力されますが、日付・時刻順のエラーに付いてはその行以前にエラーの原因が存在することがあります。この状態でsfift+f9を押すと、カーソルがエラー行にジャンプしますのでその行(及び周辺)を修正して下さい。 再度shift+f9にて次のエラー行にジャンプします。 エラーがない場合は.STD(アルファベット順にソート済み)及び.Pファイルが作られます。その後星名チェックルーチンが起動されVARTYPE.DBFに登録されていない星のリストを出力します。星名入力ミスのチェックができますので、おかしな名称(或は観測した覚えのない星)が含まれていた場合はもう一度エディタを起動して修正して下さい。f3キーを押してリターンすれば簡単です。 (本システム付属のSORT.EXEを使った場合はf3は無効になりますので使えません) (注)エラー行への画面分割ジャンプは、エディタにより出来るものと出来ないものがあります。またエラー行の文法はFINAL+Lattice C(但し相当古いバージョン)のペアに合わせてありますがMIFESではうまくいかないようです。エディタのタグジャンプの項を読んで下さい。不便ならばprechk.cの書換えを勧めます。 (付録) データ入力ソフトreference 入力 出力 プログラム 機能 リダイレクト リダイレクト コマンドライン引数 [注意] PP .D->.STD ○ ○ エラー出力ファイル(なくても可) PP1 .D->.STD ○ ○ エラー出力ファイル(なくても可) PPの上位版 P1 .STD->中間コ-ド ○ ○ なし P2 中間コ-ド->.STD ○ ○ なし PX .D->中間コ-ド ○ ○ エラー出力ファイル(なくても可) PY 中間コ-ド->.P ○ ○ なし PACK .STD->.P ○ ○ なし UNPACK .P->.STD ○ ○ なし ADDEND 観測者符号付加 ○ ○ 観測者符号 MRGTOSTD .MRG->.STD ○ ○ 観測者符号 CHKSTD .STDのチェック ○ ○ なし *NEWSTP 未登録星のチェック ○ ○ なし 1) PRECHK .Dのチェック × ○ チェックするファイル名 PP1で代用可 *SETTYPE 変光タイプの登録 × × varname type 1) [STOP不可] *LOOKTYPE 変光タイプの出力 ○ ○ 星名(0個以上) 1) REP レポート作成(.P) ○ ○ なし SUMMARY サマリー出力(.P) ○ ○ 横の行数(5-8) 2) [set obser必要] 縦の行数 *に付いてはデータベースの解説も参照して下さい。 1)VARTYPEデータベースがactive(使用可能)なシステム状態になければなりません(環境変数の設定、データベースが現在のディスクにあることなど) 2)プリンタのサイズにより異なる。80桁のディスプレイに出すとき(つまり>は使わない)は5が適当。 %% VARTYPEデータベースの構築 1)フロッピー使用の場合  付属のVARTYPE.*ファイルを使って下さい。未登録の新しい星は追加していって下さい。 2)ハードディスクの場合  GCVS全部を「辞書」として利用できます。付属のGCVS.LSTファイルからデータベースを構成して下さい。「辞書」のサイズは2MB以上になるでしょう。(実験の結果、2.5MBを少し越える程度になりました)。なおこのデータベースはほとんどがディスク容量のムダ使いです。  例)INITTREE A:\SYS\VARTYPE (構築すべきVARTYPEの初期化) MRG A:\SYS\VARTYPE+B:GCVS.LST (GCVS.LSTはB:のカレントディレクトリにあるものとする)  この「辞書」にはGCVS登録星以外は今のところ入っていません。(GCVS第4版とネームリスト67,68をサポート。ただし、打ち込んだ内容のチェックはまだ行っていない。また、激変星に関しては個人的趣味で一部分類の変更をしているが、それ以外については手が回らなかった。GCVSのSupplementに期待しましょう)ほかの星については補充して下さい。 今後のネームリスト、GCVS以外の星については事務局からサポートされるでしょう。 %% VARTYPEデータベースにおけるGCVS以外の星 ・GCVS以外の星について(補足事項)  その後、クエーサーなどのカタログ(QSO.LST)なども作成されましたので、好みに応じてVARTYPEにマージして下さい。この際「ALIAS」の概念が現れます。そのような天体については、=の後に登録星名が書かれていますので、マージの前に=の含まれている行を除いて下さい。            データベース部分の解説 %% データベースソフト取扱いの一般的注意  データベースソフトはSTOPあるいは^Cによる割り込みを許可しています。しかし、データベースに書き込みをするソフトでは実行途中にSTOPされると途中までしか書き込みがなされないため、ディスク上のデータベース構造に矛盾が生じてしまいます。ゆえに、ディスク書き込み(内容変更・削除を含む)を伴うデータベース操作においては暴走などやむを得ない状況(一般的に言って、そのような状況下でSTOPで止まる可能性は必ずしも高くないが)以外は決してSTOPや^Cを押さないで下さい。(リセットや電源offによる強制停止も同様ですが、さらにディスク破壊等の致命的な損傷を与える危険があります。) 例えば、誤ってCOPYキーを押してしまったような場合、あわててSTOPせずにCOPYが終わるのを待ちましょう。  単に、内容を参照するだけのソフト、例えば  LIST VLIST NUM AUTOGRP LOOKTYPE VCUT  CUTX LISTSTAR CALIAS  などでは、途中でSTOPしても構いません。  気を付ける必要があるのは、GRPです。EDITモードでデータ修正をしなければ単に内容参照しか行わないですが、EDITした場合にはデータベース内容の更新が行われますのでSTOPはできません。(GRPでEDITした場合はそのことを忘れないうちにいったん終了させてから再度起動した方が良い) %% データベースコマンド実行中のエラーについて  fatal error のように危ないエラーが出て、実行が終了した場合には回復のめどはありません。そうなる一つ前のバックアップ(もちろんコピーを取って)を使ってやり直して下さい。それでもエラーになる時はバックアップ自身が壊れている可能性大ですので、最初からやりなおすか、デバッグのつもりでABSLIST.EXEを使いましょう。あるいはプログラム本体が壊れていることも考えられます。 データベースの作り方 SET DB=データベース名(拡張子は不要です)を実行する。(ずっと上の説明でAUTOEXEC.BATに入っていれば必要はありませんが、データベース名を変更する場合はそのつどSET DB を実行します) (例) SET DB=A:\VAR 次にデータベースファイルの初期化を行います。 INITTREEを実行すれば初期化完了です。 (例) INITTREE A:\VAR この後データをマージしていけばデータベースを利用するいろいろのコマンド等が利用可能となります。 データベース用ソフトの解説 %% INITTREE.EXE INITTREE.EXE %% データベースの初期化 inittree.exeを使います。 データベースを初期化します。既に存在するデータベースがあるときは消去されるので、使用には注意が必要です。データベース名はset db には関係なくコマンドライン引数にて与えます。 (例) inittree var %% データベースへのマージの方法 SET DB=で指定されたデータベースへデータをマージします。マージ可能なデータ形式は.STD .P .MRG(秋田形式)の3種類ですが、なるべく前もって変換をして.STDファイルをマージしてください。 .MRGをマージするときには.STDに変換されますが、星名によっては必ずしも思うように変換されないこと、そのデータの秒の位が無視されることから一度mrgtostd.exeフィルターを通して.STDファイルにし、それをエディタで修正してからマージする方法をおすすめしておきます。 %% VMRG.EXE %% VMRGP.EXE %% VMRGAKI.EXE VMRG.EXE VMRGP.EXE VMRGAKI.EXE マージの方法 .STD  より VMRG ファイル名 [オプション] .P より VMRGP ファイル名 [オプション] .MRG  より VMRGAKI ファイル名 [オプション] .P .MRG ファイルには必ずしも観測者名が付いているとは限りませんので、観測者名のないときにデフォルトとして入る観測者名を与えます(MRGTOSTDと同じ)。[オプション]は−aしかありませんが、これを付けるとALIASデータベースを参照し、星名変換を行ってからマージします。以下、省略可能なオプションは [] の中に書くこととします。 例)VMRG B:ARM8812.STD  VMRGP KAT8801.P Kat これらのマージにおいては各行のエラー(.P .MRGからは、変換されたものに対するチェックです)のレポートが標準出力に出ます。エラーコードは前記CHKSTD.EXEと同様です。またそのデータベースにおける新登録星の場合、new star の コメントが、前回の観測に比べ2等以上の変化を示しているものにはmag jumpの表示が出ます。error-dataに関してはマージは行いません。また既に存在するデータをマージしても新たに追加されることはありません。(エラー表示も出ません) new starの出た場合には星名入力ミスがないかチェックして下さい。mag jumpで、変化の小さい星にこの表示の出るときは光度入力ミスが無いかチェックして下さい。(GRPにて確認できます) ・当然のことながら、マージした上に別のファイルをマージすることができます。 ・マージの順序は本質的に問題ありません。12月分をマージした上に11月分をマージしても構いません。 多くのファイルをバッチ処理にてマージするには次のようにします。 1.バッチファイル mrgfile.batを作る。  内容は VMRG %1 >>ERR (対象によりVMRGP,VMRGAKIを用いても良い) 2.DEL ERR FOR %F IN (B:*.STD) DO COMMAND/CMRGFILE %F を実行すれば、B:にある全ての.STDファイルをマージし、ファイル"ERR"にエラーメッセージを出力する。TYPE ERRとすればエラーの内容を見ることが出来る。MS−DOSのFORコマンドは強力ですが、DOの後にリダイレクト記号(<,>)を書けないので、この様に別のバッチファイルを作ることになります。FOR 及び COMMAND.COM の解説部分を参照。 マージにおいて注意すること マージ中のディスクフル(ディスクがいっぱいになること)は修復不可能ですので、実行前にディスク容量が十分あることを確認して下さい。一般に.STDファイルの3倍程度の空き容量が必要です。 %% MRG.EXE MRG.EXEについて no checkでマージするコマンドです。一般に使う必要はありませんが、既にチェックが済んでデータベースに入っているデータをlistコマンドにてバックアップして作った.STDファイルをマージするときはチェック不要ですので、このコマンドが使えます。実行はvmrgより早くなります。使用法はvmrgと同様ですが、マージの対象になるデータベース名を指定できます。このコマンドは.STD形式でないファイルでもむりやりマージします。 (例)MRG ARM8812.STD (環境変数DBにて指定されたデータベースにマージします。チェックを行わないVMRG.EXEと同じです) MRG VARTYPE+STARLIST (VARTYPEデータベース・・カレントディレクトリにデータベースがない場合にはフルパス名を書いて下さい−例えば A:\SYS\VARTYPE のように・・にSTARLISTというファイルをマージします。) マージをしても必ずしもファイルサイズは大きくなるとは限りません。またもとのデータの順序により出来上がったデータベースの大きさは変化しますが、使用には問題ありません。また、ハードディスクなどで大きなマージを行うと、ときどき突然ガチャガチャとしばらくの間ディスクをアクセスしまくることがありますが、これはデータベースの構造によるものです。こういう時にあわててSTOPなどを押さないように。本当に暴走している時はSTOPなど押しても手遅れのことが多いものです。 %% マージの際のエラーについて マージに限らずindex brokenとかillegal insertとかのエラーが出ると一般的に修復不可能です。これらのエラーの出る主な原因はディスクがいっぱいになっていることです。データベースの大きさの最小単位は16KBになっていますので、DIRでみてまだ使える容量があるように見えてもそのサイズが16KBより小さい場合は途中でディスクがいっぱいになっています。 データベースのマージの際に容量チェックをしようと試みましたが、実用的なスピードでディスク残り容量を知ることができないのであきらめました。 根本的な回避法は大きな容量の記憶装置を使うしかありません。 また、このような致命的エラー(プログラムのバグによるものを含む)が発生するとエラーの原因解明を容易にするため、ディスクにエラーレポートファイルを出力するように作られています。(ディスクがいっぱいの場合にはどうしようもないのだが) こういうエラーが発生して止まらなくなっている場合(画面にエラー関係の表示が出るはず)にはSTOPでむりやり止めて下さい。(なんか矛盾した話だが) %% VDEL.EXE VDEL.EXE %% データベースからの削除 vdel.exeを使います。 書式は vdel filename.std [-a] で、vmrgと逆の働きをします。 .P .MRGの削除はサポートしていません。データベースに存在しないデータを削除しようとするとdoes not existが表示されます。 mrg.exe に相当するものを作ろうと思いましたが、−(マイナス)符号をMS−DOSのファイル名に使うことが可能なので結局作りませんでした。 データベースからデータを削除してもデータベースのサイズは変わりません。削除によって空いたスペースはマージの際に再利用されます。 データベースの修正は vdel vmrgを使って実行、あるいはVIEW.EXEコマンドを使って修正して下さい。 %% VIEW.EXE VIEW.EXE VIEW.EXE の使い方:VIEW データベース名 (例)VIEW VARTYPE VIEW.EXEにおいては、カーソルキーでデータベースの内部を普通のファイルのように読むことができます。(グラフィック画面に書いているため非常に遅いのが欠点ですが−キャラクターVRAMの使い方をよく知らないのでアトリビュートエリアに0を書いたら何も出なくなってしまった) 必要な場所へのジャンプ(Fコマンド)、追加(Iコマンド)、削除(Dコマンド)、修正(Cコマンド)が一応使えます。コマンドはそのキーを押すだけで、リターンは不要です。 %% VREN.EXE VREN.EXE %% データベース上星名変更の方法 vren.exeを使います。 vren oldname newname と入力します。 (例) vren VULnova1984-2 VULQU これはalias機能には影響を与えませんので、必要ならばaliasコマンドで設定して下さい。またデータベース中にoldnameの星がないときは何もしません。 ・すでにnewnameの星がデータベース中に存在している時でも正しく働くはずです。前からあったデータと、名称変更で生じたデータは日付順に並ぶはずです。(かなり複雑な処理なので自信はないが) %% LISTSTAR.EXE LISTSTAR.EXE %% データベースの全星名を見る方法 LISTSTAR.EXE を使います。 LISTSTAR >STAR とすれば、星の名前のリストが STAR というファイルに作られます。 %% LIST.EXE LIST.EXE %% データベースを見る方法 list.exeを使います。 データベースの内容を標準出力へリストします。全内容を見るときやバックアップを取るときに使います。データベース名はコマンドライン引数で与えます。ちょうどテキストファイルに対する TYPE コマンドのように働きます。 (例) list var (画面に出力) list var >var.lst (全内容をファイルvar.lstにバックアップします) なお、環境変数DBにて設定されたデータベースをリストするには専用のVLIST.EXEを使ってもかまいません。単にVLISTとやるだけで内容が標準出力にリストされます。 なお、LISTコマンドには第二パラメータとして星のリストを与えることができます。星のリストはアスキーファイルで、一行の先頭に星の名前(その後スペースを一個あけて何か書いてあっても良い)の入ったファイルです。例えば:UG.LSTとして ANDRX UGZ ANDAR UGSS ANDDX UG ... (かなり好みの出ているリストだ) (なお、星名の後のタイプはこのコマンドの実行には関係ありません。書かなくてもよいですが、VARTYPEの書式に合わせました) というファイルを作り、LIST VAR UG.LST [>UG.OUT]とすれば、RX And, AR And, DX And ... といった順に.STDファイルとして出力されます。もちろん観測のない星は無視されます。  これまでの知識を総合すれば相当困難なことができます。「.STDファイルはGCVS順でないとイヤ」という人の場合: 1)LISTSTAR | P1 | XSORT | P2 >STAR 2)LIST database.dbf STAR >ALL.STD とすれば、GCVS順の全データが得られますね。一部期間のみに限定したい時は次のCUTXを使えばよろしい。あるタイプに限ったリストをする場合は STAR をさらに SELTYPE すればよいでしょう。  誰かさんのデータだけ抜きたい時はLIST の後に例えば FIND " Arm" (スペースに注意)をパイプでつなげばよいことは当然です。 %% CUTX.EXE CUTX.EXE %% ある期間のデータが欲しい場合 cutx.exeを使います。 書式:CUTX startYMD-endYMD [starlist] [>outfile] startYMD, endYMDはいわゆるYYMMDD形式で、期間の最初と最後を入れます。省略することもできます(両方省略する場合でも−実際は両方省略するとLISTコマンドと同じになってしまって意味がないのだが−必ず - だけは残しておいて下さい。) starlistについてはLIST.EXEと同じ意味です。 (例)CUTX 870601-880101 87年6月1日から88年1月1日までの全データ CUTX 870601- 87年6月1日以降の全データ CUTX -880101 88年1月1日までの全データ CUTX 870601-880101 UG.LST 87年6月1日から88年1月1日までのUG型のデータ をそれぞれ出力します。もちろんリダイレクトでファイルにおとせます。 なお、DBVSは日時に関するインデックスを作成しないので、このコマンドはかなり時間がかかります。 %% NUM.EXE NUM.EXE %% データ数をカウントする方法 num.exeを使います。 データ数を表示します。データベース名はset dbで指定されたものになります。 %% ABSLIST.EXE ABSLIST.EXE %% データベースが壊れたときのリストの方法 abslist.exeを使います。  listはB-treeに依存したリストですが、こちらはファイルイメージをリストします。データベースが壊れてlist出来ないときの手段と考えて下さい。大部分のデータは読み出せます(ディスクの物理的破損、ディレクトクリ、FATが壊れているときは駄目ですが)。page中、「データ数」項目は保存されていると仮定しています。もしこれもおかしな値になっていた場合はpageの全データを無理にリストします。結果はファイルに出力できますので、エディタで修正してvmrgに使えます。こういうことにならないように定期的にバックアップ(listやbackup)をしておいて下さい。 (例)  abslist データベース名(.dbfも付ける) [>出力ファイル] %% LP.EXE LP.EXE lp.exe の使い方 index broken等のエラーが生じたときにリンクポインタの調査に用います。symdeb で修正できる方は使っても良いでしょう。データベース構造の詳細はテクニカルマニュアルを参照。 %% VLIST.EXE VLIST.EXE %% バックアップの方法 ハードディスク上、データベースの1/3以上の空きがあれば次のようにします。 vlist >all.lst VLIST.EXEは環境変数DBにて指定されたデータベースをリストします。それ以外のデータベースをバックアップする時はLIST.EXEを使って下さい。 しばらくかかりますがソートされた.STDファイルが作成されます。もしデータベースdbnameが壊れたときは inittree dbname の後 mrg dbname+all.lst を実行すれば回復できます。実験したところ50000目測のマージで8分でした。(PC9801-VM2+20MB HD ) listは時々(データベースの内容を変えたときなど)行って下さい。容量の関係でlist出来ない場合にはbackupコマンドなどでフロッピーにバックアップすることになりますが、詳しくはMS−DOSのマニュアルをお読み下さい。 %% マージのスピードを上げるためには .STDファイルは必ずソートしておく。またはそれに近い形にしておく。(NTK形式から変換した.STDファイルはそのままでもかなりソートされた状態に近い) いくつかの.STDファイルを別々にマージするよりは、一緒にしてソートしたなるべく大きな.STDファイルをマージする。(MD−DOS付属のSORT.EXEは 64KB以上のファイルはソートできませんので、本システム付属のxsort.exeを使って下さい) 少量のファイルを1個マージするような場合にはどの様にしても大差ありません。キャッシュディスクをお持ちの方は書き込みが多いので設定してもスピードはあまり速くなりません。  マージ(あるいは検索)のスピードについての定性的解説:  データベース本体がメモリ上のバッファに入りきるような場合、何をしても時間はほとんど無視できます。マージでも毎秒数十ないし百(機種によって異なる)個のデータを処理できます。  データベース本体がメモリ上のバッファに入りきらない場合、データの配置によりスピードが異なります。完全なアルファベット順の場合は数十個に一回ディスクアクセスをする程度です。完全にランダムな場合はバッファのヒット率に影響されます。ヒット率はデータベースのサイズに反比例しますので「マージのスピードを上げるため」といった注意が生まれます。検索を主とする場合(GRP.EXEなど)は連続するデータを読みますのでデータベースのサイズとはほとんど関係がありません。 %% 光度グラフプログラムの使い方 %% GRP.EXE GRP.EXE set dbにて設定された変光星データベースからグラフを作成します。リダイレクションの使用は出来ません。またマウスが必要です。 実行の前に必要な(あるいはあると便利な)環境変数: SYS システムファイルの入っているディレクトリを示しておく。設定されていない場合にはカレントディレクトリになる。VARTYPEデータベースの検索や、パターンファイルのサーチパスとして使われる。 PAT 観測者別プロットパターンのファイルを指すようにしておく。ない場合にはPATTERN.LSTが選択される。 WORK ワークエリアの大きさ。単位KBで書く(例 SET WORK=150)。指定がなければ180KBとみなされる。メモリが小さくて、メモリ不足の警告が出るようならばこの値を小さめにするとよい。最小値は70KB程度。根本的にはメモリの増設をすべき(640KBあっても警告が出るようなら日本語FEPや常駐型のソフトをはずす。) 実行方法: grp (注)実行環境によっては Int trap halt と出ることがあります(グラッフィックを使うソフトに共通)。これはその前に使ったソフトが割り込みテーブルのジャンプベクトルを変更してしまっていることによることが多いようです。そういう相性の悪い(後始末の悪い)ソフトとは共存できません。あるいはマウスドライバの登録を忘れているか、使えないマウスドライバが設定されている時にもこのエラーが出ます。マウスがない場合でも特にエラーにはなりませんが、当然のことながら何もできません。 またこのエラーが出た時はリセットするしか手がありません。 コマンドを実行すると画面下部にコマンドリストが表示され、マウスカーソルが表示されます。(マウスカーソルは入力プロンプトの役割もあり、状況によって形状が変化する。慣れるとマウスカーソルを見ただけで今何を要求しているのかわかるようになる?) starの横に最初に登録されている星が表示されています。 previousにはその一つ前の星名(もちろんアルファベット順なので驚かないように) nextには次の星名 が 表示されています。 今後特に指定しない限り「コマンドの選択」とはキー入力要求があるとき以外はマウスカーソル左上端をコマンドボックス内に移動してマウス左ボタンを押すことを意味します。 1)星名の選択 現在表示されている星名(previous,next)を選択するにはprevious,nextコマンドを選択します。ボタンを押し続けると連続して星名を変更できます。星名順はアスキーコード順となっていますので一般星名順とは違います。(previous,nextはVM程度のマシンではちょうどよいスピードだったのですが、80286マシンでは速くなりすぎてしまいました。) ある特定の星を選択するにはAnotherコマンドを実行します。Name=と出力されますので、キーボードより星名を入力します。形式はデータ入力の時と同じ星名とします。(例 CYGSS) 例によって行末に余計なスペースを入れないように注意してください。選択された星が存在しない場合は星名変更されませんが、現在選択されている星も無効になります。もう一度選択してください。また、このコマンドに限らず、対話型でキー入力を要求する場合、入力のためのバッファの大きさが限られているため、あまり長い文字列を入れると簡単に暴走します。 Previous, Next の右のWは、その星を選択した後、AWコマンドを実行することと同じです。つぎつぎと星のグラフを見る場合はNextの右のWを押しっぱなしにしておけば良いでしょう。目が回ります。 2)グラフ出力コマンド @ 現在選択されている星の全区間のデータを等級範囲自動設定にて出力するにはAW(auto write) コマンドを使います。データベースのその星の全データをscanしてから書くために多少時間がかかります。 A rangeの設定を行う場合 ・AWと同じですが、グラフを書かずにrangeのみ設定する場合。  rangeの右のAutoを選択。この後Writeを実行すればAWと同じです。 ・JDのみ自動設定  JDの右端にあるAutoを実行します。 ・Magnitudeのみ自動設定  Magnの右端のAutoです。 ・マニュアル設定  Rangeの下のJDを選択するとstart ymd=と表示されます。  .STD同様のYYMMDDHHMM 形式にて入力します。スペースを入れてはいけません。  (例)880101  次にend ymd=と表示されますので同様に入力します。  (例)890101  JDの値を直接入力するときはJを付けて入力します。  (例)J44000  Rangeの下のMagについても同様です。  これらを設定してWriteコマンドを実行すればグラフが書かれます。不正なデータが入力された場合は何もしません。 (注1)Writeコマンド は現在指定されている星名、JDの区間、等級の区間に従ってグラフを描きます。すでに一度グラフを描いて観測者別パターンを変更した場合などに「描き直し」させるような時に使います。またJDや光度をマニュアル設定した時にも使います。また、グラフ上に文字を記入したり、移動の誤差で見にくくなったような場合の描きなおしにも使えます。 (注2)Eraseコマンド は現在のグラフを消去します。特に利用価値はありませんが、大量のデータを扱ったグラフが出ている時にFainter on/offをしたい場合、グラフを消してやると速くなります。 Bグラフ移動 Moveの下にある、Up,Down,Left,Rightにて移動します。各10%の移動をします。高速スクロール < > はJD、日付の出力をストップしてグラフだけの移動をします。いずれもオートリピートできます。なお移動可能区間は1900−1999年です。 CZoomの下のDown,Up,(JD,Magnそれぞれがあります) Downは10%縮小、Upは10%拡大です。 Cursはマウスカーソルを使っての拡大です。JDのCursを実行した場合、マウスカーソルをグラフ内に移動し、必要な領域の右端(または左端)にて右ボタンを押し(+が表示される)、マウスを移動して左端(または右端)にて左ボタンを押すと、その区間を拡大します。Magn Cursでは同様の拡大を上端、下端を指定することで行います。 Dハードコピー CPを選択します。(その前にプリンターが印字可能になっていることを確認してください−また最初の方で説明したようにハードコピードライバが組み込まれていなければ、no hardcopy deviceと出力して何もしません。PRINT.SYSが必要なMS−DOSのバージョンでPRINT.SYSが登録されていなければかなり致命的なエラーがでます。これが出たら「中止」を選択せざるを得ません。)かなり時間がかかりますのでゆっくりお待ち下さい。CPの右のSはSmall copyの意味で、縮小印字を行います。 E「何等以下のon/off」 Fainterを選択すると「何等以下」の表示をon/offします(トグルスイッチ)します。グラフが書かれているときはそのグラフを書き直します。書かれていなければモードのon/offのみ行います。設定すると次に変更するまで有効です。 F観測値のリスト グラフに書かれているある領域(Box)内に含まれるデータのリスト(.STD形式の)を出力することが出来ます。画面出力、プリンタ出力、ファイル出力の3種があり、それぞれList,LList,FListで選択します。FListの場合更にファイル名を要求してますのでキーボードから入力して下さい。二回目からのFlistに際しては、前回のファイル名をデフォルトとし、ファイル名を変更するか聞いてきます。同じファイルに出力する際はリターンを押して下さい。この場合の書き込みはappend mode(追加)になることに注意して下さい。同一星をいくつかの部分に分けてリストし、一本のファイルにするためにこういう仕様になっています。別のファイルに出力する際は新たにファイル名を入れて下さい。出力されたファイルは.STD形式ですのでもちろんvmrg,vdel等に利用できます。 領域の選択はマウスを使って行います。囲もうとする長方形の1つの頂点を右ボタンで指定し、それと反対の頂点を左ボタンで指定するとリストが出力されます。尚、Boxをグラフ以外の領域内(下のコマンド部)に指定した時は何も行いません。グラフの全データをリストするときはグラフの右下端と左上端を指定して下さい。データはfainter off であっても全て出力されます。今後「Box指定」は全てこの方法で行います。 Listコマンドの場合、リストが表示されたら-- Press right button --と表示されますのでマウスの右ボタンを押して下さい。出力を途中で止めるにはCTRL+Sで、もう一度押すと再開されます。決してSTOPやCTRL+Cは使わないこと。 G星名のグラフへの表示 Nameを選択し、マウスカーソルを必要な位置に移動して右ボタンを押します。出力される文字列は矢印の先端を左上端とします。星名表記は通常の表記となり、ギリシャ文字も正しく出力されます。システム領域に指定しても何も行われません。文字列出力はその下に書かれたグラフを消去しません。 H コメントの表示 Noteを選択すると文字列を要求してきますのでキー入力して下さい。この際は各種文字(アスキーコード80H以上の半角文字はたしかフォントを作っていなかったので使えません。全角文字を使って下さい)、記号(漢字、ギリシャ文字)が使用可能です。Gと同様にしてグラフ画面に出力して下さい。 I終了 Quitを選択して下さい。終了のためのコマンドはこれだけです。必ずこれを使って終了して下さい。決してSTOPやリセットボタン、電源offで終了しないで下さい。 JEditモード ごく簡単な修正(主にdeleteが出来ます。)Editモードを行った場合には最後はQuitで終了するように注意して下さい。(異常な使用にてエラーが生じないようにして下さい) Editを選択するとコマンド画面が変化します。サブコマンドの選択は通常と同じです。Listコマンドは通常と同じですが、実行後キーやマウスを押す必要はありません。Writeコマンドも同じです。修正されたデータを見るのに使います。DeleteコマンドはBoxをマウスで指定してその領域内のデータをファイル上から消去します。Deleteの実行だけでは画面上のデータは消えませんのでWriteにて確認して下さい。Boxの指定法はListと同じです。 Insertコマンドを行うと入力モードになりますので.STD形式のデータをキー入力して下さい。ループになっていますので、データを入れずにリターンすればこのモードを終了します。入力エラーがあったときにはchkstdと同様のエラーが出ます。editしている星以外のデータも入れることが出来ます。 Changeコマンドはデータの変更を行います。Listにてデータを出力して確認してから行って下さい。変更前のデータと修正前のデータを共に.STD形式にて入力して下さい。MS-DOSのテンプレート機能が使えれば比較的容易です。これもループになっていますので、リターンキーにて抜けられます。エラーメッセージはdoes not exist 及び入力データのエラーがあれば、何も行われません。 本来グラフ上でデータ入力、修正を行うものではありませんので基本機能はdeleteのみ(誰かさんの観測によくあるかけ離れたデータをデータベースから永久に追放する)と考えて下さい。そのため、他のコマンドは使用勝手を考えてありません。 Returnコマンド メインメニューに戻ります。 Deleteコマンドなどで現在の星のデータが全てなくなった場合、メインメニューの星名との整合性がおかしくなりますが、previousまたはnextを実行すれば正しくなります。またかけ離れたデータを除去した場合などrangeが不適当になることもありますが、そのときの状況により、AW,Range-Magn-Auto+Write等を適時行って下さい。 Kパターン設定(PATモード) 観測者別パターンを設定します。これはgrpコマンド上でパターンを作成するか、前もってパターンファイルを作っておき、それを読み込むことによって設定します。実際はシステムディレクトリ(環境変数SYSにて設定されている)にあるpattern.lstというパターンファイル(正確にいえば環境変数PATにて指定されたファイル。指定がない場合にはpattern.lstとなる)を起動時に読み込むのですが、ない場合にはデフォルトパターン(2x2の白ドット)に統一されます。パターンファイルの構成は次のようになっています。エディタなどで作ることもできます。 Kat 3 070777070 Kat:観測者符号 3:フォント大きさ 070777070:フォントパターン(色)、この場合フォントパターンの長さは9 フォントパターンの長さは((大きさ)の二乗)でなくてはいけません。 パターンはフォントの左上から右へ走査し、1つずつ下のラインに移ります。数字は色で0(ドットを打たない)7(白色)です。 この例では 070 777 070 すなわち+になります。 デフォルト(リストにない観測者のパターン)を設定するときは観測者名を*にします。 (例)* 1 7 (白の1ドット) パターンはこの様な行の集まりになっています。フォントの大きさの最大は10x10です。 メインメニューからPATを選択するとコマンドリストが変わります。 (注)パターンを登録するには余分なメモリが必要なので、いくつのパターンまで使えるかはその時の残りのメモリに依存します。一般にはこの制約はあまり問題にはならないはずです。 Listは現在使っているパターンを下に表示します。一画面に表示しきれない時は右側の^vを選択することによってスクロールします。 Loadはパターンファイルを読み込み設定します。ファイル名を要求しますので、例えばpattern.lst等と入力して下さい。そのファイルがなければ何もしません。 Saveは現在のパターンをディスクにセーブします。ファイル名を要求しますので打ち込んで下さい。 Editは、GRPプログラム上でパターンを作成するコマンドです。これを選択するとまず観測者符号の入力を要求してきます。これを入力すると右端にパターン用の10x10の作業領域があらわれます。この上で左ボタンを押せばドットを打ち、右ボタンを押せばドットを消去します。一番右の色を選択できます。またその下のCはパターンのクリア、Eはエディット終了で、その観測者のパターンとして登録されます。(もちろんメモリー上の話で、ファイルとして保存するにはSaveを選択する必要がある。) Defaultはパターン設定を無効とし、もとの2x2ドットに戻します。なおパターン設定は一度行えば、Defaultを実行するまで有効です。(星毎に行う必要はありません) CP,Sはメインメニューと同じく、パターンリストの部分のハードコピーをプリンタに出します。 Returnコマンドにてメインメニューに戻ります。パターンを設定しただけではグラフは変化しませんので、メインモードにてWriteして下さい。 パターン例 0770 7777 = 4 0770777777770770 7777 0770 700 070 = 3 700070007 007 070 070 = 3 070070777 777 (パターンを黒(0)にするとある観測者のデータだけをグラフ上から抹殺することができます。悪魔のコマンドです。) Lグラフのセーブ(Saveコマンド) 現在書かれているグラフを圧縮してファイルにセーブします。このコマンドを実行すれば、ファイル名を聞いてきます。システムが作ったファイル名でよければ単にリターンを押します。圧縮の形式はソースファイルのうち、grsave.cを読んでいただければ自明と思いますが、同じバイトが連続しているものをリピートに変えているだけです。また、色の情報が失われ、ちょうど普通にハードコピーをとったようになります。 セーブされたグラフを見るにはGRLOAD.EXEを使います。 (例)GRLOAD ANDRX.GRP このコマンドは実行後、コピーをとるか聞いてきます。このようにして.STDファイルのみでなく、グラフもフロッピーで送ることができます。「変光星」の原稿をどんどん書いてフロッピーで送りましょう。 なお、GRSAVE.EXEというコマンドもあり、現在表示中の全画面を指定したファイルにセーブします。ただ、DOSのプロンプトからしか実行できないため、あまり利用価値はないかも知れません。(Cでプログラムを作るなら上記grsave関数を呼んだ方が楽である。まあBASICからチャイルドプロセスで使える程度か?) なおファイルの形式は同じです。 (例)GRSAVE MYGRAPH.GRP M観測者別観測数の表示(Obsコマンド) これを選択すれば画面に観測者別観測数が一覧となって表示されます。(略号のアルファベット順) Obsコマンドの右のPコマンドはそれをプリンタに出力するものです。なおこれらのコマンドは、PATモードと変数を共用しており、Obsをやった後PATを実行するとパターン数が増えているのがわかります。つまりこれによってその星の観測者をもれなくパターン設定できることになります。(逆に言えばPATモードのメモリの問題も同様になる) Nシステム変数の変更(SYSコマンド) グラフサイズ、マウススピードが変えられます。 Window: グラフのサイズをマウスにてBOX指定できます。最大は640x300です。それ以上を指定しても無視されます。下限もあります。あまり小さいグラフにするとJDや日付が入りきらず、不都合が起こることがあります。常識的なサイズにしましょう。 Mouse: マウスの移動スピードを調整します。数字が小さいほど速くなります。4程度が適当でしょう。 Init: Window, Mouse の設定を元の値に戻します。 grpコマンドreference メインモード   機能       入力 Previous 前の星へ Previous-W 前の星のAW Next 次の星へ Next-W 次の星のAW Another 別の星へ 星名 Write グラフ出力 AW 自動設定グラフ Erase 消去 Range-Auto 範囲自動設定 JD-Auto JD自動設定 Magn-Auto 光度自動設定 Range-JD JD設定 開始、終了 Range-Magn 光度設定 上限、下限 Move-Up 上方移動 Move-Down 下方移動 Move-Right 右方移動 Move-Left 左方移動 Move- < 左方移動(高速) Move- > 右方移動(高速) Zoom-JD-Up 横拡大 Zoom-JD-Down 横縮小 Zoom-JD-Curs 横拡大(カーソル) マウスにて2点指定 Zoom-Magn-Up 縦拡大 Zoom-Magn-Down 縦縮小 Zoom-Magn-Curs 縦拡大(カーソル)   マウスにて2点指定 CP ハードコピー S ハードコピー(小) Fainter 何等以下のon/off List 観測値のリスト マウスにてBox指定、実行後リターン LList 観測値のリスト マウスにてBox指定 FList 観測値のリスト ファイル名入力後マウスにてBox指定 Name 星名の書き込み マウスにて位置設定 Note コメント書き込み コメント入力後マウスにて位置設定 Save グラフのセーブ  ファイル名 Obs 観測者別観測数 P 同上、プリンタへ Quit 終了 EDITモード 機能 入力 List 観測データリスト マウスにてBox指定 リターン不要 Delete 観測データ消去 マウスにてBox指定 Insert 観測データ追加 データ入力リターンにて終了 Change 観測データ変更 修正前のデータと修正後のデータ入力                   リターンにて終了 Write グラフ書き Return メインモードへ PATモード 機能 入力 List パターンの表示 Load パターンファイルのロード ファイル名入力 Save パターンファイルのセーブ ファイル名入力 Edit パターンエディット 観測者符号、後マウスでEdit Default もとのパターンに戻す CP パターンのハードコピー S パターンのハードコピー(小) Return メインモードへ SYSモード 機能       入力 Window グラフサイズ変更   マウスにてBOX指定 Mouse マウススピード調整   整数値 Init 元の状態に Return メインモードへ %% AUTOGRP.EXE AUTOGRP.EXE   自動的に連続したいくつかの星のグラフを作成し、画面、プリンタに出力します。 実行方法: AUTOGRP いくつかのパラメータの入力要求をしてきます。グラフはJDの範囲を一定にして出力するようになっています。 (以下の入力順序は変更されるかも知れません) まず、どの星から始めるか、どこで終わりにするかを聞いてきます。例えば具体的に ANDRX などと入力してもよいですが、「オリオンから始める」場合には ORI と入れます。出力は例によってアルファベット順になることに注意して下さい。例えば ANDR から出力すると ANDAR は出ません。全部の星を出力する時には start star, end star ともにリターンを押して下さい。 出力する期間を聞いてきます。star YMD, end YMD ともに、いわゆるYYMMDD形式で入れて下さい。例えば、870101 と 881231 のように。これは省略できませんので、必ず入れて下さい。プロットは指定された期間についてのみ行われますが、光度枠の範囲はその星の観測全範囲についてscanされたものとなるところがGRP.EXEと違います。 次に「何等以下」という観測もプロットするか聞いてきます。YまたはNで答えて下さい。単にリターンするとYになります。 出力するウインドウを設定するかどうか聞いてきます。Yを選択すればウインドウサイズは変光範囲にかかわらず一定になります(ちょうどGRP.EXEのように)。またマウスでBoxを選択するように要求してきます。普通はNを選択するとよいでしょう。単にリターンするとNを選択したことになります。 変光範囲に従って、縦軸のサイズを変更するかどうか聞いてきます。普通はYを入れます。そうすれば1等を何ドットにするか聞いてきます。1等は20−25ドットがきれいに見えます(観測値のばらつきが大きいので)。 次に、何個以上のデータがあればグラフを作るか聞いてきます。あまりデータ数の少ない星はグラフにしても仕方ないので、適当な数字を入れて下さい。 そして、縦軸の最小幅を聞いてきます。(単位 等級)。あまり小さい値にすると変光範囲の小さい星の場合みにくいので、適当な数字を入れて下さい。3−4が適当でしょう。単にリターンすると4等になります。 そして、ハードコピーをとるか聞いてきます。画面だけで見る時は0、大きいコピーは1、縮小コピーは2を入れて下さい。単にリターンすると0になります。 一星ごとに止まってキー入力を待つか聞いてきます。画面で見る時はY、プリンタに出す時はNにすると良いでしょう。 グラフのプロットパターンはGRP.EXEと同じで、環境変数SYSとPATを利用してパターンファイルを読み込み(指定なき場合には例によってpattern.lst)、それに従ってプロットします。GRP.EXEとは違い、グラフには自動的に星名(もしVARTYPEデータベースが使える状態にあれば変光タイプも)が出力されます。また観測者別観測数を出力します。 途中で止めたい時は、ESCキーを押します。 実際の実行例: まず手始めに次のように入れてみてください。(*の付いているものだけ入力してください。もちろん*記号は入力しません。) starting star/string = end star/string = start YMD = *870601 (この部分はデータによって変える) end YMD = *880501 (同上) plot fainter thans (Y/N)? set window (Y/N)? variable window by mag. range (Y/N)?*y dots per mag [default 20] =*25 minimum obs. for output = *10 smallest mag range [default 4.0] = *3 Hard copy pattern 0 : no copy 1 : large copy 2 : small copy select [RETURN for 0] wait key-press (Y/N)?*y     データベースを利用したユーティリティー(応用ソフト) %% PERGRMDB.EXE PERGRMDB.EXE  ある星のピリオドグラム(周波数解析)を出力します。変光周期未知の短周期変光星などの周期探索に使うことができます。アルゴリズムはDFT(discrete Fourier transformation)で、変光星データのように離散データの周期解析としては最も速いものです。具体的には変光曲線を実関数とし、それをフーリエ変換したものの絶対値の2乗をプロットします。実際には変光曲線は離散データなので、積分は総和に置き換えられます。つまり、観測時刻t(j)、光度m(j)が与えられている場合、縦軸Y(P)は               _                2  Y(P)=|Σ{m(j)−m}exp{2πit(j)/P}|        j  となります。(余計な数式の多いマニュアルだ)        _  なおここで、mはm(j)の平均です。そんなものいらないのじゃないか、と指摘するあなたは偉い。本当のフーリエ変換ではいらない(定数のフーリエ変換は0となる)のだが、ここではランダムな時刻の合計であり、定数のDFTは必ずしも0ではないので、S/N比を上げるため入れてあります。  expの中は−が付かないのか?と言っている人はバカです。  見かけ上、かなりの実数演算をしているように見えますが、実は内部では整数化して計算をしています。これは演算プロセッサのついていない機種ではまともに実数演算をすると非実用的なスピードになってしまうためです。そのため、このプログラムは演算プロセッサを付けてもほとんどスピードは変化しません。演算プロセッサがあれば実数演算をした方が速くなりますので書き換えてみて下さい。  このような近似を行っていますが、通常の周期探索については十分実用になるはずです。 使用法:PERGRMDB 環境変数DBにて指定されたデータベースをまずオープンして、マウスによる入力待ちになります。最初は Star メニューを選んで下さい。星名と計算期間(YYMMDD形式で)を要求します。計算期間は単にリターンを押せば、全区間となります。今後計算条件、星の変更などをする時はこの Star メニューを選んで下さい。 グラフにする最小周期と最大周期を聞いてきます。単位(日)で入力して下さい。一般に既知の変光星の周期を求める場合には、この範囲を狭い目に、未知変光星の周期探索をする場合には広い目にとります。最小周期は0でも構いません。 次に、周期のステップを聞いてきます。小さくすれば精密なグラフができますが、時間がかかります。一般に(最大周期−最小周期)の1/100から1/1000程度が適当でしょう。 そして感度を聞いてきますが、最初はわからないので1でも入れて下さい。この値を大きくすると小さいピークが見えるようになりますが、雑音も拡大されます。 PERGRMDBはまだ作って間もないこと、用途がまじめ(ほかのソフトは不まじめみたいだが)なので、不正な入力のチェックはほとんど行っていません。例えば周期の範囲やステップに大き過ぎる値、小さ過ぎる値を入れると(整数化の関係もあり)ほとんど無限ループになってしまいます。こういう場合はリセットしか方法がありません。幸いにしてPERGRMDBはデータベースの内容を書換えないので、リセットしてもデータベースは壊れません。 また、計算できる目測の最大は5000です。余裕のある方は、ソースリストを書き換えて大量のデータにも対応するようにしてみて下さい。 なお、「何等以下」のデータは無視します。 (初等的注意) 1)フーリエ変換型のピリオドグラムは、周期性がはっきりしている(周期の伸び縮みが基本的にない)、しかもサインカーブに近いグラフを持つ星に適しています。つまり、周期変光星でもEA型などは不適当です。 これらはもっとほかの方法で良い周期が求められます。 2)ピリオドグラムの横軸はこのソフトのように周期そのものをとる場合と、1/P(=frequency)をとる場合があります。ここではわかりやすいようにPをとりましたが、1/Pにするためのプログラム変更は簡単です。文献を読む時には注意して下さい。 (超初等的注意) 1)変光しない星はピリオドグラムを作ってもむだです。 2)観測が1点とか2点ではピリオドグラムは作れません。 3)観測期間が変光の1周期に満たない場合にはこの方法ではまともな周期は得られません。  しかし、さまざまな苦労を乗り越えればピリオドグラムは魔法のプログラムです。どうみても周期性が見られないグラフでも一応周期が求まります。もしあなたが不幸にもケフェイドやEWを観測しているならば、即ピリオドグラムを作ってみましょう。もしそれでも周期性が出ないようなら、あなたは今晩から観測をやめて文献でも読んでいた方が世のためです。  さて、無事グラフが出たとします。グラフでは一番大きいピークの周期が示されているはずです。マウスカーソルが表示されていますが、その指している位置の周期が左上に表示されています。メイン以外のピークの周期を調べるのに使って下さい。  マウスカーソルをメインのピークの上端にもっていって右ボタンを押せば、そのピークが適当な大きさになるように拡大します。  Large メニューは周期軸方向の拡大です。マウスにて、拡大すべき周期の上(右)端、下(左)端を選択して下さい。(Box選択と同じです。)  その他のメニュー(CP, S, Save, Quit)は、GRP.EXEと同じ働きです。 (重大なバグ)  このperiodogramは、内部演算に整数を使っている関係で、データの種類、量によっては演算オーバーフローが起こることがわかりました。(変光範囲の大きい場合、データ数の多い場合) 今のところ回避のメドは立っていません(単に製作者が怠慢なだけですが)ので重要な用途には使わないか、実数演算に書き直して使って下さい。 %% PERGRM.EXE PERGRM.EXE   このプログラムははっきり言ってアホです。PERGRMDB.EXEがデータベースからデータを入力するのに対し、こちらはある星の.STDファイルから入力するようになっています。本来は同じ機能だったのですが、PERGRMDB.EXEの機能拡張のため、取り残されてしまいました。特別な目的がない限り、データベースを構成して、PERGRMDB.EXEを使って下さい。 %% CIRC.EXE CIRC.EXE  「激変星サーキュラー」のひな型(prototype)を作成するプログラムです。データはDBで示されるデータベースにあらかじめ入っているものとします。そしておもむろに  CIRC 8811 >CIRC8811.CIR とでもすればサーキュラーが作られます。なお実行には多少時間がかかります。(88年11月のデータが入ってなければまったく無駄であることは当然である) コンパイル時には、CIRC.Cのほか、LISTOB.Cもコンパイルしてリンクします。  実行の際、システムは3つのファイルを必要とします。それは CIRCUG.LST、CIRCPEC.LST、OBSER.LSTです。最初の2つはサーキュラーにする星を指定するファイル、最後は観測者符号のカタログです。実物を見て内容を説明しましょう。またシステムディスクに入っていなかった場合、このマニュアルからこの部分を切り出して使えばいいでしょう。なお星によっては異常に偏見に満ちたデータが入っていることがわかるでしょう。 <CIRCUG.LST> ANDRX UGZ 135 ANDAR UGSS 145 ANDBV UG ANDDX UG 140 ANDFN UG ANDFO UGSU: 150 ANDFS UG ANDIZ UG ANDKV UG ANDKW UG AQLUU UGSS 145 AQLDH UG 150 AQLFO UG 150 AQLKX UG 150 (中略) NSV12615 UGSU+E S10919 UG  最初のフィールドが星名で、アルファベット順である必要はありません。スペースを1個おいて変光タイプ(これはVARTYPEデータベースと同じである必要はない)、さらに必要ならばスペース1個をおいて「増光」と認められる限界の光度を書きます。ない場合には17等?とみなされます。  CIRCUG.LSTに書かれた星は、増光があったと判定されるものだけ出力されます。増光の判定は難しいので特にUGZなどではうまく行かないことや、観測誤差、途中で「何等以下」のデータで分断された増光を2つと間違えることがよくあります。また観測間隔については配慮していないので観測間隔があいてしまっているような場合、2つの増光を1個と誤って判定することがあります。そのためあとから修正が必要です。観測者は増光を捉らえた人のみが出ます。がんばって下さい。 <CIRCPEC.LST> ANDZ ZAND 2:100 ANDAE SDOR ANDAF SDOR ANDDZ RCB??/CST? 1:105 ANDEG ZAND ANDHP UG? ANDHQ CV: ANDHV CV: ANDIO CV: ANDIW CV: ANDLL UG? ANDLS NA:/UG: (以下略)  これだけたくさんの星をチェックしてもすぐ終わるのですから、コンピュータの威力というのは本当に大したものです。  星名、タイプまではCIRCUG.LSTと同じです。SNなどは発見される都度入れていくのがよいでしょうが、よく忘れます。PECの場合はタイプが出ますので多少気をつけて入れましょう。そのあとはスペース1個ずつでいくつかのフィールドを書くことができます。これはコメント自動挿入のためのデータです。形式は 1:100 10.0より明るい場合 at maximum と表示される 2:130 13.0より暗い場合 at minimum と表示される 3:140 14.0より明るい場合 bright state と表示される 4:150 15.0より暗い場合 faint state と表示される 5:150 「何等以下」のデータしかない場合で 15.0より暗い場合 possibly at minimum と表示される。 このあたりを変更したい場合は値が矛盾しないように注意して下さい。またLISTOB.C を書き換えるとこのロジックを変更できます。 なお、CIRCPEC.LSTの星の場合、1カ月の変光範囲が小さい場合その範囲を、大きい場合は毎日の値が出ます。観測者はデータが positive, negative にかかわらず全員出ますので安心して見えない星でも何でも見て下さい。  書き忘れましたが、変光タイプにはスペースは入れてはいけません。もし絶対入れる場合にはアンダーバー(_)にて代用してください(例 neutron_star)。出力の際にスペースに変換されます。 <OBSER.LST> Arm Iida 飯田慎 Fds Funada 船田 Has Hasegawa 長谷川登 Hrm Hiraga 平賀三鷹 Hsk Hirosawa 広沢 Hsy Hirasawa 平沢康男 Kat Kato 加藤太一 Kiy Kiyota 清田誠一郎 Ksm Koshiro 小城正己 Kyt Kuniyasu 国安 Mkn Makiguchi 牧口信広 Mom Momose 百瀬雅彦 Moy Moriya 守谷昌志郎 Msk Murase 村瀬恵子 Myy Moriyama 森山雅行 Nga Nagai 永井和男 Nur Narumi 成見博秋 Odo Onodera 小野寺修 Okt Oka 岡拓真 Oty Oota 太田佳似 Sgh Sugai 須貝秀夫 Tbs Terabayashi 寺林進 Tio Tomohiro 友広秀雄 Wnm Watanabe 渡辺誠 Yam Yamada 山田正則 Yuk Yasuki 安木誠規  観測者符号(アルファベット順でなくてはいけません)のあとスペース1個をあけて何を書いてもよろしい。CIRCULARの最後に今月の観測者としてリストされます。 実際の出力結果のうち、後に!のあるものは、その一日のばらつきが大きい(観測誤差、いい加減な目測、増光途中など)ので注意を喚起しています。後に*のあるものはあきらかな矛盾で、ある観測者は「増光」と判定しているのに別の観測者が「絶対極小」と判定している場合です。それぞれの観測者の信頼度をもとに、どちらを採択するか考えます。  また、CIRCULARは80文字+αで改行するようになっています。これは多くのエディタが1行の文字数に制限を設けているからです。後から適当に修正して下さい。 %% CUG.EXE CUG.EXE   何のためにあるのかよくわからないソフトで、使ったことがありません。 書式: CUG YYMM   データベース中、YYMMで指定された年月のデータからpositiveなデータのあるUG型を.STD形式でリストします。この際、CIRCUG.LSTファイルを参照します。(あまり覚えていないのだが)。くだらないUG型のデータの多い最近のファイルから、有効なデータのみを抜き出すのに使います。CIRCULARを作る時の参考にはなるでしょう。 %% HOUBUN.EXE HOUBUN.EXE   データベースからNTK報文のような形式の出力をします。これまで人手でやっていたのは本当にバカのようです。NTKの委員に見せびらかすために作ったプログラムで、たぶん永久に使う必要はないでしょうから説明は省略したいところですが、一応書いておきます。 書式: HOUBUN startYMD-endYMD [starlist] [>outfile]  つまりは、CUTX.EXEと同じ書式で、データがリストされる代わりに報文が出力されるものと考えてよい。  内部での配列に上限があるので、startYMD,endYMD の期間には制限がある。一年程度なら大丈夫のばず。  starlist についてはLIST.EXEやCUTX.EXEを参照のこと。これを使うことにより、データベース本体はアルファベット順でも、出力はGCVS順や、ミラだけといった自由な選択ができる。  実行時にVARTYPEを参照する。星の名前の後にタイプが書かれることは言うまでもないが、「何日毎の平均」にするかはタイプによって決定される。例えばミラでは10日平均である。詳しくはソースプログラム参照。  星別に観測者のリストが作られる(アルファベット順)のも報文と同じ。  なお、コンパイル時には ONEOBS.C もコンパイルしてリンクすること。こんな簡単なプログラムでもこのぐらいのことはできます。  次は「観測月報」プログラムでも作りましょうか?(その後、実際に作成されたらしい。) %%NTKREP.BAT NTK.BATの使い方 このプログラムはW氏が、NTK-likeなレポート作成ソフトを要求していたため、ごくいい加減なものを作ってみたものです。 このタイプのプログラムは個人が使うことが普通なので、観測機械・観測地については出力していません。これらはできあがったファイルに観測者が後から書き込むこととします。(実行時にINPUTさせるタイプのプログラムは嫌いです) また、ファイルとして出力するのでプリント前にコメントの追加ができます。 NTKに準じた部分は以下の通り ・通常の変光星と食変光星を別にする ・変光タイプを出力 ・星名の順序はほぼNTKと同じ(その他の星はアルファベット順) ・JD出力(時刻の有効数字に合わせて小数以下を決める) ・光度は現在の小数点・光度システムをサポート NTKと違う部分は以下の通り ・観測者略号はファイルに記載されているもの ・「目測」はありません 実行に必要なファイル P1.EXE, PY.EXE, XSORT.EXE(あるいは同等のソートプログラム) REP2.EXE VARTYPEデータベース(実行前に観測したすべての星が登録されていること) OBSER.LST (DBVSのディレクトリ \DATABASE に入っている) なおテンポラリファイルを作るので、カレントドライブはRAM-DISKが望ましい 実行方法 前もってCHKSTDでエラーのないことを確認しておく NTKREP P8904ARM (.STDは付けない) これで P8904ARM.REP というファイルが作成される。これを必要に応じてエディタで適当に修正して TYPE P8904ARM.REP >PRN でおしまい 1ページの行数を変更するには REP2 ... -N50 の部分の値を変更すればよい REP2.EXE についての注意 単独で用いる時は、これが.P形式に対してのみ有効であることに注意が必要である。.STD形式はそのままでは使えない。またREP2.EXEはフィルタでないことに注意。 あとがき このマニュアルは某I氏が打ち込んだものを某Ki氏が誤入力(某I氏の入力は異常にミスが多い・・画面を見ずに打っているらしい)の修正をしたものに筆者がくだらない追加・修正をしたものです。内容は1989年4月1日までのタイムスタンプを持つファイルに対応しています。                                  NUE  去る1989年2月9日、漫画界の巨匠、手塚治虫氏がなくなりました。私事(他の部分もほとんど私事だが)で恐縮ですが、私は青少年期を彼の作品と共に過ごし、特に高校時代は勉強もせずに当時復刻された「火の鳥」に夢中となっていました、というより高校時代が「火の鳥」一色に染まっていました。その後も「乱世編」「太陽編」などの大作を発表され元気なところを見せておられたというのに。「火の鳥」ファンとしてはこの作品が未完のものとして終わった、新しい物語を読ませていただくことがもう2度とできなくなった、ということが残念でなりません。私としては秘蔵していた青春の1ページが失われた(丸山健二氏の言葉を借りれば「心の風穴」でしょうか)ような気がして、観測・勉強?に身が入らない状態となっています。このため変光星研究会の皆さんにいろいろとご迷惑をおかけすることになろうかと思いますが、どうかお許し下さい。このマニュアルを私から直送する方には 「火の鳥 INTERMISSION」のコピーを同封します。手塚氏がおそらく書き残すことのできなかった「火の鳥・現代編」を知る手がかりにはなろうかと思います。 Adieu, l'oiseau de feu, ma jeunesse. (追記) ・このマニュアルは、加藤氏のかかれた膨大なマニュアルから、プリントアウトして参照できるよう、Kisが、コマンドのリファレンスとなる部分のみを抜きだしたものである。削った部分にも参考になる点が多いので、もとのマニュアルも一度、通読されることをお薦めする。 APPENDIX 星名に関する更に詳しい規則 %% 星名の詳しい規則  この部分は(全部そうだという話もあるが)はっきりいって、内容がありません。世の中には異常に細かいことにこだわる人がいて、「入力方法がわからない」とか「互換性がどうのこうの」というので追加しました。 (例に付いては必ずしも実在の天体ではありません) またこの部分はその性質上、コロコロと内容が変わりますのでよくお読み下さい。(新しいカタログが発表されるたびに既成の名称との統一をとる必要が生まれるため) %% フラムスチード番号 ・フラムスチード番号 64 Cnc(星図によっては#64と書いてあることもある) ->CNC64 (#は入れない) もしGCVS、NSVにあればそちらを優先します。フラムスチード番号は、必ずしも現在の星座境界にあっていませんので可能なかぎり、BD,CDといった一般星表の名称を使って下さい。 %% 超新星 ・超新星  SN1988Aの様に入力します。すい星と違いAは大文字です。なおZまでいった場合には次はaaになり、まるで変光星の名前のようですがこれは小文字です。天文電報などで得た情報の場合は注意しましょう。銀河系に出た場合はSN符号なのでしょうか?それともGCVSに登録されるのでしょうか? 過去の例からみてたぶん両方でしょう。最終的な名前はやはりGCVSを使うのでしょうか? WR星ならば結構GCVS登録されている星があるので命名されている星がSNになることがあるかも知れません。  南半球でSN1987Aを見てきた人、報告して下さい。  なお、超新星と思われるが確認観測がなされなかったため符号が付かなかったものについては新星と同様の扱いとして、以下のように書くこととします。 M31SN1989 IC4329ASN1986 ここでも、新星の規則と同じく、確認はなされなくても(たとえ存在しない天体であっても)単なる一義的な名前を付ける意味から SN? のようには書かないこととします。(多くは possible supernova in xx というようにIAUC等に発表される)。銀河の書き方については銀河の項を参照して下さい。一年に複数個の超新星が一個の銀河に出たらどうするか?・・わかりません %% 発見者符号 ・変光星の仮符号(発見者符号) 古いものは当然GCVSまたはNSVに含まれているはずです。今やANナンバー(123.1910等)や、Pナンバー(AAVSOのチャートなどにたまに出てくる)などは過去のものとなっていると思って良いでしょう。(少なくともNSVカタログにReferenceとして出て来る略号は)分からない星がありましたら事務局などに問い合わせて下さい。 現在でもナンバーの更新が行われているものとして、SナンバーやSVSナンバーが有名です。既知の変光星を新発見として報告していた例もありましたので、新変光星の発見報告であっても一応はGCVS,NSVは調査して下さい。(IBVSにいて座のたくさんの新変光星を報告した論文がありましたが、その後ある研究者が調査したところ、位置の測定がいい加減だっただけで、1個を除いてすべて既知の変光星だったそうです。) 一般にこれらの星名はそのまま表記します。(桁合わせの0は入れない) (例) SVS2700 S7931 問題は新たに作られた仮符号ですが、次の恒星カタログに準じた扱いとすることにします。原則的にそのまま書きます。 %% 会員の発見した変光星 ここに、NHKの会員の発見した星の仮符号の作り方の規則を提案します。 観測者符号3文字をそのまま(大文字・小文字も)書き、その後Vを付け、番号を付けます。何らかの出版物(会報・ブレテン)に発表されることを原則とし、発見者自らが番号を付けます。(あるいは編集者が発表後に付ける−ソ連のSVS符号はそうです−のもよいでしょう) (例) ArmV1 Arm氏の1番目の変光星 なおこの星は先ほど増光して話題となったNSV01098を観測しようとしたI氏が、Lick星図とほかの写真星図を比較していて発見しました。 ArmV10 ArmV100 こうすれば星座名と一致する心配がありません。 NHKVも悪くはないのですが、かつてのNTKV同様、海外に発表されなければ無意味です。 新しく発見された変光星がすでに他のカタログに含まれている場合、そちらを優先します。もちろん、観測者仮符号は更新して構いません。 %% おもなカタログ ・恒星などのカタログ名(一部、日本天文学会「星図星表めぐり」を参考にしました) AC    大部分はBDに含まれている星ですのでBD名を優先します。暗い星も多いので役に立つことがあります。困ったことに他にもACというカタログがあるようです。M15のAC211で一躍有名になりました。銀河のカタログにもあるようです。 ADS   二重星のカタログ。BDなどに入っている星も多いが、二重星の片側が変光星の場合、使われることがある。 AFGL  AFGL2881(=V366 Lac)で有名。炭素星が多く、ミラ型観測者はお目にかかるかも知れない。 AGK   大部分はBDに含まれている星ですのでBD名を優先します。 AS AS338で有名。ASカタログの星はGCVSに入っていることも多いので、調査が必要です。 CBS   Case Blue Starの略で、CBS132やCBS31などの激変星でおなじみ(?)です。昔有名だったCase1(現在はEG UMaと命名されている)もここの研究所のカタログでしょう。混乱しています。今後もわけのわからないカタログ名が出て来るでしょう。 CCSS 炭素星のカタログであり、CCSという書き方もあるようです。桑野ミラ(=1951-11 Aql = CGSS1175)はこのカタログに入っていたような気がするが記憶違いかも知れない。 CIT   赤外線源で、ミラ型も入っている。 CW    Case Western Surveyの略。激変星でときどきお目にかかる。 FBS   First Byurakan Surveyの略。一部の観測者が信じているようにFaint Blue Starではない。全然有名なカタログではないが、最近ZAND型や激変星が含まれていることがわかり、一部の観測者が毎晩見ている。カタログ名通りに書けばよい。そのうちSecondシリーズからも変光星が発見され、SBSとなるのだろうか。 G ローエル天文台の固有運動の大きい星のカタログだが、G61−29のように書かれる。これも問題はない。 GC 大部分はBDに含まれている星ですのでBD名を優先します。 GD GD552が有名で毎晩観測している人もいます(?)。GDは4けたまであるが、桁合わせの0は入れない。 HD 大部分はBDに含まれている星ですのでBD名を優先します。これにはBD,CDナンバーの対応表が付いているのでそれを調べれば良い。HDナンバーにて書かざるを得ないときにはHD12345のように書く。HDEについてはEを付けている方が多いのでそれに従う。HDE123456のように書く。 HR,BS 明るい星なので、他のカタログ名を使うことが出来る。 IRC ミラ型等で、時々お世話になる。IRC+10234のように書く。これの+記号は省略しない。 LS IBVSなどで時々見かける。外のカタログ名に直せれば良いのだが、そうでない場合には少しややこしい。実際の名称はLST+55゜8の様に書かれるがTは実はローマ数字である。しかし入力の際は普通のアルファベットと思って良い。゜は例によってピリオドとし、LST+55.8と入力する。 PG PG0244+160のように書く。0は省略してはいけない。PG天体はクエーサー等も多く含んでいるので、そちらの方も参照のこと。なおPGカタログでα,δからナンバーを決める方法は少し癖があり、AAVSOチャートで間違っていた例があった。 S     Sの何とかと書かれるカタログはたくさんあります。変光星ででてくるのはSonneberg 天文台の新変光星の仮符号として使われるSぐらいだったのですが、最近になってSanduleak とかStephensenがいろいろな対物スペクトルサーベイを行っていて(たとえばSS433で有名なSSカタログなど)一部はSの何とかと呼ばれるので混乱しまくっています。このあたりは変光星図記載の名称をそのまま使うしかないでしょう。  おそらく秋田ソフトでは疑変星名として、SカタログをサポートしているでしょうからMRGTOSTDで混乱のもとになる可能性があります。 SAO 変光星分野(特に暗い星)ではBD、CDの方がやや優勢のようです。可能ならBD、CDに変換して下さい。一般にSAO名のついている変光星は既に命名されているか、新しく発見されたもの(しかも光電等で)が多く割合に使用頻度は低い。だいたいアマチュアが目にするSAOナンバーの新変光星は、Sky and Telescope 誌によるものが多く、この雑誌に発表された新変光星は某「変○星」とは異なり、GCVSに登録されることが多い。未登録の星はSAO12345の様に入力します。 Ton 銀河極付近の青い天体のサーベイ。クエーサーなども多いがRU LMi,VZ Scl等の激変星も入っており今後も出てくるかも知れない。北と南の2系統があり、TON930 TONS1234の様に表記する。 MHα等のギリシャ文字を含むカタログ αはalphaと書きます。 基本的には、カタログの数字が通しナンバーの場合は原則として0を入れず、赤経・赤緯から作られたものは0を省略しない、というあたりまえの規則です。  カタログ名の最後が数字であり、その後に星名を示す番号を続ける場合:間にハイフン(-)を入れます。クエーサーなどで有名な MC2, MC3 といったカタログの場合はこのようにします。  参考までに、Max Planckの激変星カタログ(4th ed.)記載の略号を載せておきます。(プリントアウトがすべて大文字のため、このまま使えるわけではありませんが) ABELL (* Abell) AGK3 BD CD CGS CPD FEIGE (* Feige) G GD H HD HDE HZ IC K1,K2,K3,K4 LANNING (* Lanning) LB LT MACR MXB M1,M2,M3,M4 NGC PK PS SAO TON TONS XB 2A 3A 1M 3U 4U AC BPM EG ESO EXO GR HFG KPD LFT LMS LSS LT LTT NLTT PG PHL SVS WD 1H (*)のあるものは、かっこ内の書き方を使うものとします。 %% 銀河系外の星 ・銀河系外の星系の内部の星の扱い これはなかなか厄介です。主に球状星団と系外銀河に分かれます。(銀河系内の散開星団に含まれる変光星はGCVSに登録されます。例えばFG Vulの様に。そういうことですからこの場合は、必ずGCVSを調べて下さい。) %% 球状星団の変光星 @球状星団の変光星 Hoggのカタログがあるため、GCVSでは全く扱っていない。どなたかお持ちですか? 一応uniqueな命名がなされているようですが、アマチュアの目にはふれないのと、編集がある1天文台によって行われているのは残念です。M5V42の様な名称にはおなじみのはずです。一般的習慣からいってMナンバーをNGCナンバーに優先して使うこととします。(いくら有名でもCENomegaV1等というのはだめ) 注意が必要なのは、このカタログにも含まれていながら、後になって球状星団のメンバーでないことが分かった場合にはGCVSに登録されるということです(例えばM22V17)。当然GCVSの方が優先されますので、球状星団のVナンバーが付いていてもあやしいと思われる時はGCVSを調べて下さい。GCVSではRemarksのところに書いてあると思われますが、全部かどうかは知りません。だいたい球状星団はいて座に多いので、GCVSを調べるのも気が狂います。 なお、これまでに時々使われていたM5 No42,M5#42といった表記法は廃止します。(いずれも変光星でなく、別の用途に用いられていることが判明した。) 球状星団の新星もあります(T Scoが有名)。もし出ればM22nova1988のように書くのでしょうか?それともVナンバー?星座の変光星?わかりませんねえ。M14の新星はいまだに名前がなくてDuerbeckは星座の星に含めています。 %% マゼラン雲の変光星 Aマゼラン雲の変光星 あまり関係ないですが、一応カタログはあるようですので@と同様となります。 しかし最近では他のカタログ名(SK等)を使うことも多いようです。 新星についてはLMC,SMCを星座名と同様に扱い、LMCnova1988-1の様に書くと良いでしょう。 GCVS登録の星(S Dor,W Men など)は球状星団と同じです。 %% 系外銀河の変光星 B系外銀河の変光星 一部についてはVナンバーを付けているようですが、はっきりした規則がないようなので、混乱しています。発見者符号(M33HSV = Hubble-Sandage Variable = M33varA,B,C,1)やVナンバー(主としてケフェイド)、発見者が適当に付けたNo.(新星など)といったようにまちまちです。新星の命名に付いても取り決めがなく困ったものです。もっともアマチュアが観測するような星はごく限られているでしょうが、将来の写真観測を考えると明るいSDOR、SR、RCBなども入ってくるので、なんとかしなければいけないでしょう。 %% 系外銀河の新星 新星については新発見のものはとりあえずIAUCに従うことにしましょう。M31nova1987-1というぐあい。昔の新星の再発を信じて観測している場合は勝手にして下さい。Rosinoあたりが通しナンバーを付けています。M31N113 のように。 注意すべきは銀河系外の星と思われていたものが(実際にそうであっても)GCVSに含まれていることがあることです。有名な星として S Dor , AE And , AF And , W Men , Z Tri 等がありますが、これらは当然GCVSを優先します。(観測することはないと思われるが、他の銀河の超新星でGCVSに入っているのはGCVS優先なんでしょうか? Z Cen とかが有名ですが。最近の例では CE UMa がそのようです。) %% 恒星系の変光星 恒星系(dwarf galaxy)の中の変光星が問題になることがあります。これらはM31なんかに比べて近いものもあるので、異常な観測者がたまに見るからです。有名な星ではDracoC-1があります。ほかの系もカタログがあればこれと同様に書くことにしましょう(UrsaMinorV1とか)。まあ恒星系は種族Uの古い星なのであまり変わった変光星はないでしょう。超新星など出るんでしょうか? 星の数が圧倒的に少ないから望み薄です。 これらの系外天体に付いては少なくとも当分の間GCVSの様な命名は考えられせんので名称については多少注意しておいても悪くないと思います。 %% 活動銀河 ・活動銀河の扱い 最近クエーサー,BLLAC,セイファート等が観測されるようになり(主として1名の観測者だが)、名称上の混乱をきたしています。これらも統一した命名がないので、いわば発見者仮符号のように使います。筆者の知っているクエーサー、BLLACのカタログでは Hewitt and Gurbidgeのもの ApJ Sup.63(1987) があります(最近supplementが出ました)。コピーを所有していますので必要ならコピーのため貸出いたします。 略号についてはこの表記に従うことにします。 %% クエーサーの命名 (注意)ここで新しい規則を作っておく。このカタログはこれまで発見されたすべてのクエーサー、BLLACを網羅しているとのことなので、QSO類の命名はこのカタログの最初に挙げられている名称を使うこととします。また表記は大文字とします。名称がない場合には QSO1234+235 のようにαδ形式になります。またBLLAC天体の命名には特別な配慮をしません。QSO****+*** がBLLACであることもあり得るわけです。各種カタログで、通し番号でないものはαδ形式を使うこととします。またQSOの名称の後のA,B,C...は「重力レンズ」などの像を区別するために用いられるので、同じαδのQSOの区別のためには用いられません(発見者が特別にA,B,C...と付けていない限り)。ただそうすると同じ名前の天体が生じるので、そのようなものにはとりあえずa,b,c..を付けています。あくまで仮の名前です。αδの有効桁数を上げて対処すべきかも知れません。また個々のQSOの命名については、付録の QSO.LST を参照して下さい。原則としてここに記載の名称を使うようお願いします。  特に変化した名前としては 3C273 -> 3CR273  があります。  またαδの桁数については、カタログによって違いますが、ここでは赤経を分まで、赤緯を.1度までに統一します。もちろん1950.0分点です。 (例) ON231 (ON+231のように+記号は入れない。-記号は省略不可) 3CR175    (.Xは記載があれば付ける) 4C29.45    (4Cの後にはマイナス符号があることがあるので注意) MKN421    (Mark,Markarian記号は使わない) NRAO263 VR31.15.01 AO0235+164 (A0235+164はダメ またゼロとOに注意) その他のものはApJ記載のように、ほとんどα,δから作られるXXXX±XXX方式であり、表現上の問題はあまりない。 優先順位は一応有名な3C,4Cシリーズ(5Cもあるが)、Oシリーズ、PKSと優先したいですが、確定した規則が作られるかは疑問です。観測される型は上記カタログを調べられると良いと思います。(なるべく後で見る人が分かるようにXXXX±XXXフォーマットの名称が良いような気がするのですが、3C273のように一般化し過ぎのものもあり、困ったものです)・・これについてはカタログの最初に記載されている名称を使うことで解決しました。ほとんどの有名な天体ではこれまでの名前と同じです。 参考までに、ApJに載っていたカタログの略号をリストしておきます。 A2 Asiago blue objects in the field of the Coma Cluster of galaxies A3 Asiago UVX objects AO Arecibo Occultation Survey AB,B Braccesi ultraviolet-excess objects B1 The First Bologna Catalog of Radio Sources B2 The Second Bologna Catalog of Radio Sources BF Braccesi faint ultraviolet-excess objects BSO Blue stellar objects CSO Case stellar objects CT Cerro el Roble sample of faint ultraviolet-excess objects CTA Caltech Radio Survey, List A CTD Caltech Radio Survey, List D DA Dominion Radio Observatory Survey, List A DB Dominion Radio Observatory Survey, List B DHM University of Durham source DW Dwingeloo-Green Bank Radio Source List E Source identified using the Einstein Observatory ESO ESO/Uppsala survey of the ESO(B) Atlas F 150 Southern Compact and Bright-Nucleus Galaxies GC NRAO 5 GHz Radio Survey GV 408 MHz Radio Survey KC Kron adn Chiu KKC Koo, Kron and Cudworth KP A Kitt Peak Radio and Optical Survey of Quasars LB Luyten blue star catalog LHE 408 MHz survey MC The Molonglo Reference Catalog of Radio Sources MC2,MC3 Molonglo Radio Catalog MC5 Molonglo Weak Source Survey MKN Ultraviolet-excess and emission-line objects from objective-prism surveys MSH Mills, Slee, Hill Radio Survey NAB Neta A.Bahcall, QSOs in the direction of Abell culsters NB Mullard Radio Observatory NRAO National Radio Astronomy Observatory Catalog OA Ohio source OB-OZ Ohio source OTL Ooty occultation radio source PB Faint Blue Stars at High Galactic Latitude PC Spectroscopic CCD surveys for quasars at large redshift PG Palomar-Green bright quasar survey PHL Palomar-Haro-Luyten blue stellar objects at high Galactic latitude PKS Perkes Radio Catalog POX Objects discovered by Knuth, Sargent, and Kowal RN 178 MHz survey of sources north of 86゚ RS Ultraviolet-excess objects near M3 S4 NRAO-Bonn S4 Survey S5 MPIFR 5 GHz Survey TON Tonantzintla blue stellar objects UM Curtis Schmidt Thin Prism Survey for Extragalactic Emission Line Objects US Faint Blue Objects at High Galactic Latitude UT University of Texas Radio Astronomy Observatory sources VR Vermilion River Observatory Survey W Faint blue objects neat the north Galactic pole W1,2,3,4 Westerbork Synthesis Radio Telescope sources 53W,55W Westerbork Survey, number 53 Hercules field, number 55 SA 28 field WDM Very Blue Stellar Objects near Galaxies ZW Zwicky compact objects (* Zw) 3C Third Cambridge Radio Catalogue 3CR Third Cambridge Radio Catalogue 4C Fourth Cambridge Radio Catalogue 5C Fifth Cambridge Radio Catalogue "Faint blue object"というものが多いので将来こういうカタログから激変星がみつかるかも知れません。 %% セイファート銀河 セイファートについては東北大のカタログがあり、長谷川氏が持っているはずです。これはNGCナンバーのあるものが多いのであまり問題にはならないようです。(NGCなどについても桁合わせの0は入れない)とは言ったものの、長い人名の付いたものが多いのでまじめに観測する人は困るでしょう。幸い手元にApSS 148,305のAGN(active galactic nuclei)の観測対象リストがあったのでどんな名前があるか抜きだしておきましょう。 Mrk335 (QSOのところではMARKを使うように書いたが、文献によって書き方がまちまちである。Markarianでもいいような気もするがどうしましょう? ちなみに原語ではМаркарянであり、ロシア語の得意なW氏(ドイツ語は読めないそうです)に聞けばわかるが英語表記ではMarkaryanになる。ついでながらСтепанянはStepanyanと書くことも多い。)・・・QSOのカタログの方が権威ありそうなので(何と言ってもApJ)MKNにしましょう。Mknさんも同名のよしみで観測を。 IIIZw2 (最初のIIIはローマ数字なのだが、普通のアルファベットで代用する。また間にスペースをあけない) MCG8-11-11 (うむややこしい) UGC (そういえばそういうカタログがあった。ついでながらXY Pscの古畑チャートではNGCとUGCが違っていた。こういうことを異常に細かく指摘する人がいるもので、某H氏から「AK CncのM44はM67の間違いですね」という手紙が来たことがある) Akn120 (Arakelianの略。私はずっとArakelian120と書いてきたが) Arp102B (これは人名) Ho187 (?) Kaz102 (これはKazaryanでしょう) NGCなどでは伴銀河にA,B...をつけますよね。これは大文字にしましょう。 なお数は少ないですがGCVSの登録星があります。 例えば W Com AU CVn BL Lac AP Lib GQ Com V396 Her BW Tau は気付いていますが、他はどうでしょう。 %% 惑星状星雲の中心星 ・惑星状星雲の中心星 NGC2346の様に変光星が見つかることがあります、当然GCVSに登録されますが、仮名としてはその星雲名を使うこととします。あれば一般的な名称(NGC,IC等)を使うこととします。なおPKカタログの星のうちいくつかはZAND型としてGCVSに入っていますので、激変星カタログなどを見ると良いでしょう。他銀河については知りません。 %% X線源 ・X線源 CygX−1の様な有名なX線源はまずGCVS名を持っていますので、そちらを使って下さい。その他のものはカタログ名(E2003+225,H0538+608,あるいは1E,3U,4U等のカタログ、A0620-00等。EXOは論文によって表記がまちまちで何が本当なのかよくわからない?)をそのまま表記して下さい。まずGCVSには入っていないことを確認して。 X-ray novaについてはIAUCに従いましょう。ASM2000+25のように。X線源、γ線源の場合は光学的同定の文献が先に出ていますので、アマチュアが名称の優先順位について迷うことはないでしょう。 %% γ線バースト γ線バースト源はGBSと書かれるようです。どうせ見えないでしょう。まあ某星図セットにあった「ゲミンガ」を見るよりはましかな? %% 赤外線源 ・赤外線源 最近ではIRASのおかげで IRAS point source catalog があるそうだが、私はお目にかかっていない。IRCなどの有名なカタログはすでに説明ずみ。 %% パルサー ・パルサー PSRと赤経・赤緯で表します。同じ赤経・赤緯に2個のパルサーが発見されたのはごく最近のことで、予想通り球状星団の中でした。これはA,Bと付けています。どうせ見えないから関係ないか。しかし光学同定されたパルサーはGCVSに登録される。(CM Tau, HU Vel)。最近有名な食を起こす連星パルサー(PSR1957+20)が光学同定されたそうなのでGCVSに入るだろう。 %% 太陽系 ・太陽 GCVSによれば太陽も変光星らしい(タイプ BY)ので、勝手に観測して下さい。名前はSunでいいんじゃない? 「すい星は変光星だ!」というWnm説もあるようなので、もし万が一光度観測をしてこのシステムで管理するならば1982iのような名前がわかりやすいでしょう。 昔はやったErosのような小惑星はMP433のように書けばいいかな。地球・月・惑星・流星・人工衛星などは勝手に観測してください。  I氏の打ち込んでいるところで、古くはVestaの観測があったそうである。偉い先生のだから無視するわけにはいかない、と言って困っていました。 ただ、ここに書いてあるようなものを観測しても事務局でボツにされることは確実でしょう。 %% 名前のない変光星(ハーバード符号) ・国内で発見された変光星、あるいは発見者符号がない場合 発見の事実だけが伝わっているような場合で、他のカタログに見つからない場合はいい加減な方法ですが、慣習的に星座名ハーバード符号にて表すことにします。 例) AQL1929-07  TAU034525 あくまで仮名なので、その付近に既にいくつかの変光星があっても本来のハーバード符号のようにa,b,c...は付けません。 (ハーバード符号の作り方)  ハーバード符号は、当時変光星の命名をしていたドイツの向こうを張ってハーバード天文台で始められた変光星の命名法です。ハーバードの昔の出版物を見ると、ドイツ式星名はまったく記入されておらず、ハーバード符号のみです。その伝統を受け継いでAAVSOが使っていますが、はっきり言って時代遅れです。 まず誰にでもわかる難点を: 1)古い1900年分点に基づいている 2)同じ区画に複数の変光星があった時の解決法が明瞭でない。AAVSOでは命名順またはカタログ順にa,b,c...と付けていますが、はっきり言って混乱しています。有名な例は P Cyg と WX Cyg です。発見は当然 P Cyg が早いですが、登録は WX Cyg が早いのです。それでどちらを a にするか定説がありません。アルファベットで足りなくなる場合、例えばM42,M45 の変光星なんかどうしようもありません。 3)AAVSOでは疑変星、新変光星にもハーバード符号を付けている。例えば超新星にハーバード符号をつけてどうするのだろう? その銀河に出た(これから出る)他の超新星も同じ名前なの? さらに疑変星が登録されると2)の規則によりそれまでのものと順番が入れ替わることがある。 4)ある変光星の星野に新たな変光星が発見されると、もとの変光星の名前には a を付けなくてはならない。途中で名前が変わってもいいの? またあらゆる新変光星の情報を知っていなくてはならない 5)変光星の位置の精度は悪いものが多い。精測されるとハーバード符号が変わることがあるが、そんなのいいの? ハーバード符号の付け方には2つの流儀があるようである。 第1法)1900.0分点の赤経を0.1分、赤緯を1’に丸め(四捨五入)赤経を分まで、赤緯を度までとる。例えば 12h34m58s +15゚59'40" -> 12h35.0m +16゚00' -> 123516 これは、ハーバードの作ったヘンリードレーパー星表の精度に合わせてあるためと思われ、古い方法である。(PG星表はこれに似ているがどうしてだろう?) 第2法)1900.0分点の赤経・赤緯の分以下、度以下を切り捨てる。上の例では 123415 となる。(なお赤緯がちょうど0の場合にはプラス0として、符号を付けない。もちろん-0゜以下に続く場合には 0722-00 といった表記になる) ここでは、第2法を使うこととします。さらに最近では新変光星を発見してもハーバード符号でなく、赤経赤緯から数字を作ってしまう例が増えています。1329-294 などです。これらは1950.0分点です。これらについてはハーバード符号と区別するため星座名を前に付けないこととします。 また整約者(報告を受け取った者)がこういう観測を見たら、報告者に同定星図を請求しておかないと後で分からなくなります。個人で仮符号を付けている場合にも公式の資料に発表されない限り、同じ扱いが必要だと思われます。 H(Huruhata varible)の同定表・星図セットを作る作業も必要でしょう。既に命名されたものはALIASデータベースに入れる必要がありますし。 何れにせよ、var No.xx near δ Monといっても、実態が不明なことは同じで、まだハーバード符号の方がましでしょう。出来れば発見者仮符号が必要なところです。 また、噂によれば秋田ソフトでは発見者略号をサポートしているようです。(AV=Akita Variableとか)。既存の符号(HVなど)と重ならないように注意して下さい。   「日本の変光星観測の集大成」のための入力方法についての補足的説明 %% 日本の変光星観測の集大成  「日本の変光星観測の集大成」においては、入力結果は最終的には.STDファイルの形式にして集計者のところへ送ることになっています。もちろんこれまでの説明に従ってエディタで.STD形式でポツポツと1目測ずつ打ち込んでいってもよいのですが、多くの場合は各種フィルタ類を使ってもっと効率的に仕事を進めることができます。以下、生データの形式によってどのような入力方法をとればよいか、一応のアドバイスを書いておきます。変換プログラムの詳細についてはそれぞれの項目をお読み下さい。  また、JSTのデータがどうしても入手できない場合を除いて、JDで入力してJSTに変換するのは避けて下さい。一般にJDを介すると有効数字が減少しますので。 %% 観測ノートからの打ち込み 1)観測ノートがある場合  1−1)JSTで記入されており、しかも時刻順に記入されている場合   .D形式で打ち込み、PP1フィルタで.STDに変換すればよろしい。-Sオプションを付けてソートしておきましょう。  1−2)JSTで記入されているが、時刻の順序がばらばらの場合   .D形式で打ち込む。この際、時刻のないデータがあってはいけない。そして「時刻の順序が違います」というエラーを気にせずPP1フィルタを通してしまうか、PPフィルタで T オプション(時刻順序を問題にしない)を付けて.STDに変換するかいずれかの方法を用いる。あるいは入力の時点で時刻順に直して入れてPP1を通すのが最も良いかも知れない。 星別に表形式で書かれているノートの場合は.P形式で入れる方が便利であろう。(2−1参照)  1−3)JDで記入されている場合   あまりないでしょうが、星別にまとめて.P形式でJSTの代わりにJDで打ち込み、TOJSTフィルタを通し、UNPACKを通せば.STDになります。(後の説明も参考にして下さい) あるいは、秋田ソフトをお持ちの場合、秋田形式で入力(.EST形式)し、秋田ソフトで.MRG形式に変換してからMRGTOSTDフィルタを通せば.STD形式になります。秋田形式の.MRGを直接打ち込むのは、星名入力ミスが多くなりますので避けて下さい。  なお、観測ノートに光階だけが書かれている場合(1(a) 2(b) のように)は、観測者に光度を求めるように請求するか、その行は無視してください。光度が計算できる場合(例えば (98)3 2(102) のように)には観測者に1光階の値を知らせてもらって計算して下さい。 %% 報告用紙からの打ち込み 2)NTK用の報告用紙に書かれている場合  2−1)JSTが記入されている場合   .P形式で打ち込み、UNPACKして.STD形式に変換するとよい。例えば次のようなデータがあったとする。 (報告例)  1988年4月観測報告 観測者Arm(実際の観測もこんなものでしょう) UGSU TT Boo 4 1 20 15 <160 2 18 36 <125 15 19 10 <180 UG UZ Boo 1 20 16 <165 2 18 35 <120 15 19 12 200: UG AL Com 15 19 16 <174 UG: V592 Her 1 20 17 <165 2 18 40 <120 15 19 15 <190 UG BZ UMa 15 19 20 155 (.P形式打ち込み例−この場合は何年何月までは共通なので打たないことにする。また観測者符号は後から付けることとする) #BOOTT 012015 <160 021836 <125 151910 <180 #BOOUZ 012016 <165 021835 <120 151912 200: #COMAL 151916 <174 #HERV592 012017 <165 021840 <120 151915 <190 #UMABZ 151912 155 これを、例えば ARM8804.P1というファイル名でセーブする。そして次のコマンドを実行する。(以後、各コマンドはカレントディレクトリまたはMS−DOSのPATHコマンドにて設定したパスにあるものとして話を進める。これらの作業はRAMディスク上で行えばあっという間に終わります) これらのパイプ処理は慣れないとタイプミスをしやすいので、バッチファイルにしてしまうのが良いでしょう。−「コマンドまたはファイル名が違います」といったエラーが出た時、腹を立ててコンピュータを殴る癖のある方は特に。 ADDYM 8804 ARM8804.STD これで目的の.STDファイルが得られる。必要ならばADDENDの後にさらにSORT(またはXSORT)を追加すればアルファベット順になる。 ADDYM は行の先頭に文字列を付加するフィルタで、#で始まる行は無視します。もし、「何年」までが共通で、「何月」は違う場合は(年間報告の場合、あるいは星別に整理されたノートから打ち込む場合)月から打ち込み、ADDYM 88 ・・のようにすればよろしい。  2−2)JDしか記入されていない場合(AAVSOの報告用紙に書いてあるような場合もこれと同じです)   .P形式に準じる形でJSTの代わりにJDを書いて、TOJSTフィルタを用いる。ただし、JDでノートを取っている人はともかく、JDから変換したJSTはもとの記録と一致しないことも多いので、もしJSTのデータが利用できるならJSTの方を打ち込んで下さい。 例) UGSU TT Boo 44000.15 <160 44001.16 <125 44002.17 <180 UG UZ Boo 44000.15 <165 44001.17 <120 44002.17 200: UG AL Com 44002.17 <174 UG: V592 Her 44000.14 <165 44001.15 <120 44002.16 <190 UG BZ UMa 44002.16 155 ならば、次のように打ちます #BOOTT 44000.15 <160 40001.16 <125 44002.17 <180 #BOOUZ 44000.15 <165 44001.17 <120 44002.17 200: #COMAL 44002.17 <174 #HERV592 44000.14 <165 44001.15 <120 44002.16 <190 #UMABZ 44002.16 155 これを、例えば ARM8804.P1というファイル名でセーブする。そして次のコマンドを実行する。 TOJST ARM8804.STD JDの打ち込みは最初の24は打ちません。また変換結果が1900−1999年に収まらない場合の変換結果は保証しません。TOJSTはもとのJDの精度にかかわらず時刻の分まで出力します。 (もっとセコい方法) #BOOTT 0.15 <160 1.16 <125 2.17 <180 #BOOUZ 0.15 <165 1.17 <120 2.17 200: #COMAL 2.17 <174 #HERV592 0.14 <165 1.15 <120 2.16 <190 #UMABZ 2.16 155 (4400は共通なので打たない) これを、例えば ARM8804.P1というファイル名でセーブする。そして次のコマンドを実行する。 ADDYM 4400 ARM8804.STD ADDYMの別の利用法です。  2−3)UTで記入されている場合  UTの時分が記入されていれば、9hを足せばJSTになります。  日の小数で記入されている場合、UTTOJST.EXE を参照。 %% 報文からの打ち込み 3)報文のようにまとめとなっているもの 最近のNTKの報文のように、数目測を平均してあるものは入力できません。戦前の「日本天文学会」の報告のように、全目測が発表されているものに限ります。 JSTで書かれているか、JDで書かれているかにより、該当する2)の方法を選択して下さい。2)との違いは、観測者符号を各目測につけなくてはいけないことで、それゆえ最後の ADDEND を行う必要はありません。 例えば:1988年の報告 #ANDR 01012025 140 Arm 01052123 <130 Has 12122005 128 Yam #ANDT 01012310 88 Nur のように打ち込んで、例えば NHK88.P1 というファイル名でセーブします。そして以下のように変換します。 ADDYM 88 NHK88.STD JDで記入されている場合は、ADDYM .. の部分が TOJST に変わるだけで基本的には同じです。JDの場合でもADDYMを介することにより上の桁が同じ場合は2)で示したように省略できます。 %% 入力をされる方へのお願い %% .HIS ファイルについて 1).STDファイル一つに対して1個の.HISファイルを作って下さい。(例えば入力したファイル名が ARM8801.STD であった場合、ARM8801.HIS というファイル) この .HISファイルには.STDファイルの経歴を書きます。あとから入力ミス修正、データ修正があった場合、どこをどう直したかを.HISファイルに書き込んで行きます。(これはおもに集計者の仕事ですが) また誰が入力したかといった.STDファイルに直接書き込めないような基本的な情報も入れておきます。なるべく日本語がいいでしょうが、日本語FEPが使えない場合は英語でもよろしい。 入力者が必ず書き込む必要のある事項は以下の通りです。 ・.STDファイルを作成した過程  例えば ARM8801.P1 ファイルを打ち込み、ADDYM 8801 | UNPACK | ADDEND Arm を通して作った、のように書く。直接.STDファイルを打ち込んだ場合は必要ない。 ・できあがった.STDファイルのファイルサイズ・タイムスタンプを記入。(MS−DOSのディレクトリをそのまま書けばよい) ・入力者名 ・もとデータに誤りを発見したような場合、どう修正して打ち込んだかを明記。 ・入力エラーのチェックをどこまで行ったか(例えばCHKSTD終了、光度チェック終了、星名チェック終了など) 2)直接.STDファイルを入力した場合を除き、変換前の形式のデータファイルを一緒に付けて下さい。集計者がこれらを保存します。(上の例では ARM8801.P1 ) これは、変換プログラム等に誤りが発見された場合、変換をやりなおせるようにするためです。(例えばJDからJSTへの変換プログラムが間違っていた時のことを考えてみてください) 3)これは報告をされた方へのお願いなのですが、秋田ソフトでNTK形式のレポートを作ると、もと入力したデータに対して時刻で分のオーダーで誤差が出ます。これはJDからJSTへ変換するルーチンが間違っているわけで、フロッピーを送らずにNTK用の報告用紙のみ送られた方は誤った時刻が入力されることになります。秋田形式の.MRGに入っているJDの値そのものはおかしくありませんので、MRGTOSTDを通して作った.STDファイルは本来の時刻になります。報告用紙のコピーではなく、フロッピーで.MRGファイルまたは変換後の.STDファイルを集計者に送って下さい。 4)CHKSTDのチェックは必ずしてください。      光階法のみで光度の求められていない星に関する扱い(新規) %% 光階法のみのデータの打ち込み %% .STP 形式  これまでは光度の求まっていないデータは無視することにしていましたが、「観測したという事実だけは残したい」という強い要望がありますので、そういうデータについては.STD ファイルでなく、.STP ファイルという特別なファイルを作って入れておくこととします。ファイル名の作り方の規則はこれ以降の項目を参照してください。 .STP (STEP) 形式とは、.STD形式の光度の部分を目測を表す文字列に置き換えたものです。それはスペースを含まず、コンマにて区切られたフィールドからなります。 (例) (100)3 A2,3B,5C a2.5,4b,0(120) (4.56)3,2(5.25) ・比較星名はアルファベット(大文字・小文字は区別される)からなる。数字にすると光度とみなされる。 ・比較星光度を記入する場合、小数1位までのものはこれまでと同様。2位以上まで示してあるものは小数点を付けて明示する。 ・アルファベットの比較星はかっこで囲む必要はないが、光度を示してあるものは囲む ・光階は正の整数または小数点を用いた小数(どういう意味があるのか不明だが)。等しい場合の0は必ず入れる。= < > の符号は使えない。 1行の例は以下の通り AQRCY 8810022315 A2,3B,4C Kat ・普通のデータベースに誤ってマージしないこと(そのため拡張子を変える) ・1行の長さは.STDのような制限はないが、常識的なもの(100文字以内とか)にすること。 ・チェックの方法は今のところないので注意して入れましょう(普通の入力の手を抜いてよいわけではない) %% STPTOSTD.EXE %% 光階法から光度の計算 STPTOSTD.EXE  STDTOSTD outfile.std  .STPファイルのうち、光度の計算できるものを.STDファイルにしてしまうフィルタ。まだできあがっていないので動作は保証できない。完璧を目指す方はソースプログラムを書換えましょう。  使用にあたって 1)1光階の値を環境変数 ST に入れます(環境変数を使いまくるソフトだ) SET ST=0.80 これは自分のものをいれるとよいでしょう。他人のデータを変換する時は当然その人のものを入れます。省略すると 0.10 とみなされます。観測者が Arm 氏の場合は無条件に 1.0 等とみなされます。 2)比較星データベース(COMPSTAR.DBF)をSYSパスに作成します。これは以下のような内容にします。 ANDR (A)Kat 100 ANDR (A)Wnm 105 LYRbeta (a)Kat 3.30 LYRbeta (b)Kat 41 ... スペースの位置に注意して下さい。( ) は必ず必要です。このような内容のアスキーファイルをつくり、MRGコマンドでデータベースを構成して下さい。      新しく登録された変光星に関する名称変更について      (事務局向け) %% 新規登録変光星の名称変更  事務局では.STDファイルを保存するわけですが、Name List 等が発行されて新星などが命名される度に発狂的な混乱をきたすことは明白です。何しろそれまでのすべての.STDファイルについて、新たに命名された星が入っていないかどうか調べる必要があるからです。名称変更はCALIAS.EXEコマンドを使うべきでしょうが、利用に際して以下のようにすることとします。 1)Name List や、新たなカタログが発行された場合、事務局または関係者がALIASデータベース用の星名定義ファイルを作る。拡張子は.ALIとする。例えば、68th Name List の最初の方は次のようになる。この際、単なる文献中の仮符号(1,2.., V1,V2,..)などは入れない。一般的な星名、変光星仮符号について、これまでの形式で入れます。 [NLIST68.ALI] S10887 ANDNR BD+34.118 ANDNS S9497 ANDNS NSV00306 ANDNS S10888 ANDNT S10891 ANDNU S10892 ANDNV S10895 ANDNW S10897 ANDNX S10898 ANDNY S10899 ANDNZ BV124 ANDOO CSV5927 ANDOO NSV00527 ANDOO HR454 ANDOP BD+47.460 ANDOP BD+38.326 ANDOQ HD10388 ANDOQ 206.1940 ANDOR KPD2302+4910 ANDOR CSV5653 ANDOR NSV14419 ANDOR ANDnova1986 ANDOS BD+40.5049 ANDOT HD219989 ANDOT NSV14508 ANDOT HR9024 ANDOU BD+35.5110 ANDOU これらをもれなく登録しておくことによって、思いがけない疑変星の変更忘れを避けることができます。本来は過去の Name List についても同様のリストを作る必要があるのですが、IBVSを保有しているA氏が情報をにぎったままなので、事務局(具体的にはW氏)にまかせることとします。NSVの付録の表を誰か打ちません? この作業によりまたデータベースが大きくなることは否定できない。 2).ALIファイルを一般に配布する。整約者、事務局はこれをALIASデータベースにマージする。例 MRG ALIAS+filname.ali CALIASを使うことにより、「XXという星、命名されていませんか?」という疑問には即座に答えることができるはずである。 3)過去に報告された全ての.STDファイルについて以下の作業を行う(事務局) 3-1) CALIAS filename.new 3-2) FC filename.std filename.new (FCはMS-DOSコマンド) 3-3) 二つのファイルに相違があれば変更がなされているので、filename.new を filename.std に rename して保存する。もし相違がなければタイムスタンプ保存の意味からもとの filename.std を保存する。 3-4) .HIS ファイルに変更の事実を記入する(FCの出力をそのまま入れるのが便利) 4)データベースにマージされているものについては、3-4)の結果を参照して VREN を実行する(バッチ処理が便利)。なおここでデータベースが壊れても文句は言わないこと。もう一度最初からマージしなおしましょう。(いい加減なソフトだ)      「日本変光星研究会」からのデータの形式について %% 日本変光星研究会からのデータ  日本変光星研究会では、報告を受けたデータを打ち込み、フロッピーにて希望者に配布することとなっています。また過去のデータについても「日本の変光星観測の集大成」の一環として同じ形式で配布されることになるでしょう。  これらのデータは事務局の保管の都合から、月別、観測者別の.STDファイルになっています。後から訂正があった場合などはこの形式は便利なのですが、個人で使う(特にデータベースを作らない場合)には、ファイル数が多いのでなかなか厄介です。また最近の形式では、一ヶ月分をまとめて一つのサブディレクトリとして、その中に収めるようになっています。さらに.HISファイルは個々の.STDファイルに付属するものではなく、一ヶ月分をまとめた形になっています。  渡辺氏から来るものでは、サブディレクトリの名称は \OUT8901 のように、OUT年月という形をとっています。個々のファイル名は P8901WNM.STD のように、P年月符号.STD の形式です。また2HDディスクの場合、一枚に半年分しか入りません。これらを入れ替えながら作業するのは間違いも多く、CD コマンドの連続のため大変疲れます。ゆえに末端ユーザは一ヶ月分を一個のファイルにまとめ、サブディレクトリを作らないのが良いと思います。  ご存じのこととは思いますが、ディレクトリ中の全ての.STDファイルをまとめるには、COPYコマンドを使い COPY *.STD NHK8901.STD とすれば良いのですが、この方法は思わぬ落し穴があります。これをすれば新しい.STDファイルが一個増えるため、2回目に実行するとおかしくなります。例えば COPY NHK8901.STD+*.STD NHK8901.STD という書き方が許されますが、*.STD には NHK8901.STD 自身も含まれることに注意して下さい。ゆえにこういう使い方をする時にはファイル名の特殊性を生かして COPY P*.STD NHK8901.STD COPY NHK8901.STD+P*.STD NHK8901.STD のようにするのがいいでしょう。 なお、よく間違えますが COPY *.STD >NHK8901.STD は全く意味がありません。気持ちはよくわかりますが?  届いたままのディスクでいろいろ使おうという場合は必然的にバッチファイルを作ることになります。ここではドライブB:にデータディスクを入れることとします。 例1)Nur氏の1988年の全観測を収めたファイルを作る [F.BAT] CD B:\OUT%1 COPY NUR88.STD+B:P????NUR.STD NUR88.STD [G.BAT] COMMAND/CF 8801 COMMAND/CF 8802 COMMAND/CF 8803 COMMAND/CF 8804 COMMAND/CF 8805 COMMAND/CF 8806 PAUSE COMMAND/CF 8807 COMMAND/CF 8808 COMMAND/CF 8809 COMMAND/CF 8810 COMMAND/CF 8811 COMMAND/CF 8812 として、G を実行すればよい。一年分をまとめて何に使うかは読者にまかせましょう。 例2)1988年の全ファイルから AW Gem を抜き出す [FD.BAT] FIND "%1 " <%2 >>GEMAW.STD [F.BAT] CD B:\OUT%1 FOR %%F IN (B:P*.STD) DO COMMAND/CFD GEMAW %%F [G.BAT] 例1と同じ として、DEL GEMAW.STD と G を実行する %% 間違いに気が付いた場合 ・HISファイルについて  日本変光星研究会から来る.HISファイルには観測者別の報告数が出ているはずです。また、すでに訂正があった場合にはその下に書かれているはずです。そこで、さらに誤り(自分のデータでも他人のデータでも)を発見された場合には、データをさらに正確にするため、ぜひ事務局へ連絡して下さい。具体的には気の付いた事項をその.HISファイルに書き込んで送って下さい。事務局が報告原本を調べなおしたり場合によっては報告者自身に問い合わせます。今のところ、データをもらう一方の人(ROMとも言われる)ばかりなので、もっとデータのミスを発見して渡辺さんを困らせましょう。 %%MS−DOSについての知識 %% MS−DOSのファイルエンド記号 MS−DOSのファイル構造上の問題についての注意 MS−DOSのテキストファイルの終わりを示すにはいろいろの方法が用いられています。多くのエディタではテキストの終わりにアスキーコード1AHを余分に付けます。ところが、MS−DOSの標準出力をリダイレクトして作ったファイルは最後に1AHを付けません。例えばエディタで打ち込んだ.STDファイルをSORTすると1バイト減ってしまいます。これはバグではありません。あるテキストファイルが最後に1AHを含んでいるかどうかを調べるには次のようにします。 TYPE filename >temp こうして、filenameとtempのバイト数を比較します。tempの方が小さくなっていればfilenameには1AHが含まれています。(一般的に言って、このようにして作ったテンポラリファイルは消し忘れることが多い。金塊のようなハードディスクの中を temp, aaa, abc, test.c, **.bak, **.obj などでいっぱいにしている人を何人も知っている。しかしこまめに消す人もよく失敗するもので、del *.bakと打つつもりでdel *.batやdel *bakとしてしまったり、del *.のあとにスペースを入れたり、間違えてリターンにさわってしまったりする。dir と del を間違えるのは毎度のことである。テンポラリファイルはRAMディスクに作るのが一番である。バックアップのつもりでcopy a:*.* b と打って気が付かない(MS−DOSはアホなので「xx個のファイルをコピーしました」と出るので)人もいるが)−もっと良くないのは、サブディレクトリDATAにコピーするつもりでcopy *.* dataとすることである。サブディレクトリのあるなしで運命が分かれる。 %% 消去したファイルの復活法 %% あなたのハードディスクが生き返る  最近は某W氏も観測データを何時間もかけて全部打ち終えたあと、ディスクの整理をしようと思ってdel *.stdとやったそうです。この際は幸いにして「エコロジー」で復活できました(しかしW氏のところにはどんなツールでもある?ようだ)。「前にやった時はNOMOREを使った」と自慢していましたので、初めてではないようです。そういえば某I氏も最近del *.*をやってしまったと言っていました。I氏の話によると「誤ってdeleteしてしまったディスクはそれ以上さわらずにすぐに送ってくれれば再生できる」とのことです。ハードディスクでも送ってあげましょう。フロッピーに化けて帰ってくることでしょう。  有名な英文ワープロのWordStarなど(もちろんnon-documentモードで使うこと)では1AHをいくつか付けるようです。(WordStarでは^Bを押すと悲惨なのでデータを打つには適さない。WordStarで打ち慣れた人が某エディタで同じように^Nを押したらプリンタが動いてしまったことがある。「^Pはトラップできたんだが^Nはすっかり忘れていた」と言っていました)。プリンタドライバの付いていないMS−DOSで^Pや^Nを押すとどうなるか(特にエディタ中で)わかりますよね。一般的注意としてプリンタドライバを組み込んでなくてMS−DOSが怒ってきた時はパニックにならず、もう一度^Pを押せばよい。  問題となるのは、プログラムによってはこの最後の1AHに依存する(1AHが付いていなければファイルの終わりを認識できない)ものがあることです。例えば、秋田ソフトの元になっているBASICはどうも1AHを必要とするようです。DBVSではMS−DOSのリダイレクトを多用しているため1AHは付きません。それゆえ、DBVSで作ったファイルを秋田ソフトで正確に読めない(ファイルエンドを通り過ぎて読んでしまう)ことがあります。そのような場合、テキストファイルの最後に1AHを付けるにはエディタで修正してセーブすればよいでしょう。  また、>>記号はリダイレクトの一種として、ファイルの最後に追加する機能を持ちますが、すでに1AHが付加されたファイルの場合はそこでファイルは終わっていますので、付加しても無効です。特にいくつかのファイルをマージする時など、エラーファイルに追加してゆくことがあります。そのような場合には一度エディタで修正をしてしまったら1AHが付加されるため、それ以上のファイルを付加することができなくなってしまいます。ファイル末の1AHを取り除くには TYPE filename >newfile とすればよろしい。 また、プログラムを作成される際は、1AHに依存しないものを書くよう、特にお願いしておきます。有名なソフトで1AH依存のものにはMASMがあります。 (何か余計な話ばかりのような気がする) %% MS-DOS 付属 RAMディスクドライバの使い方 つまり、MS−DOS付属のRAMDISK.SYSを使い、CONFIG.SYSに一行を追加する。 DEVICE=RAMDISK.SYS 0256 1024 0128/M としてMS−DOSをたちあげれば、メインメモリから256KBがRAMディスクに転用される。(メインメモリは384KBになるが、SELTYPE程度のコマンドでは十分である。グラフなどを使う時は普通のMS−DOSでたち上げしなおせばよい) RAMディスクはドライブC:(増設していない場合)となるので、 COPY A:VARTYPE.* C: SET SYS=C:\ として実行すればよい。 なお、スイッチの/Mは「メインメモリから」の意味で、これを付けないと80286・80386のプロテクトモード用のRAMから借用することになる。PC9801RAを使っている人はすでにこれを使っていることであろう。  メインメモリが惜しいがグラフィックRAMならいい、という人は専用のRAMディスクドライバがかつて作られていたので、それを使えば192KBのRAMディスクが使える(初代98を除く)。このドライバについては飯田氏が持っている(もしかするとシステムディスクの中にRAMDSK21.COMというファイルがあるかも知れない)はずなので請求すればよい。ただし、グラフィックを使うプログラムとは共存できない。GRPを実行すると死にます。 以上、MS−DOSに詳しい方はぜひ使って効率アップをはかりましょう。 %% FOR コマンド <MS−DOS入門者向けFORコマンドの解説>  FOR コマンドなんて言っても知らない人が多く、MS−DOSのbuilt-in commandの中で最も使用されていないコマンドではないかと思われる。相当やっている人でも「それBASICの命令じゃないの」となる。MS−DOSのマニュアルを読みなさいと書きたいところだが、親切なこのマニュアルで軽く説明をしておく。 FOR コマンドは IN 及び DO とペアにして使う。 書式は FOR %F IN (...) DO ... (キーボードから直接実行する場合) FOR %%F IN (...) DO ... (バッチファイル中に記述する場合) である。 (...) の中に該当するものを順次 %F(あるいは%%F) という変数に代入し、それぞれに対して DO 以下を実行する。%F は変数名であるから、別に %G... などを使っても良いはず。 (例1) FOR %F IN (A B C) DO TYPE %F は TYPE A TYPE B TYPE C と展開される。 (例2) FOR %F IN (B:*.STD) DO OBSTIME %F これは、B:の全ての.STDファイルをOBSTIMEにかけることになる。もしB:に P8801ARM.STD P8801KAT.STD P8801WNM.STD という3つのファイルがあった場合、 OBSTIME B:P8801ARM.STD OBSTIME B:P8801KAT.STD OBSTIME B:P8801WNM.STD に展開されて実行される。 このように、本来ワイルドカードを使えないプログラムをバッチ処理風に実行させるのに便利である。 (注意) DO 以降にはリダイレクトやパイプは使えない。例えば FOR %F IN (B:*.STD) DO TYPE %F >>ALL.STD FOR %F IN (B:*.STD) DO CHKSTD <%F はエラーとなる。 また、DO の後にはバッチ処理コマンドを書いても無駄である。 これらを解決するには次の「command.comを使ったチャイルドプロセス」の知識が必要である。 %% COMMAND/C を使ったチャイルドプロセス <COMMAND.COMを使ったチャイルドプロセス> COMMAND.COMはMS−DOSの起動時に使われるだけと考えている人が多いが、本来はコマンドインタープリターとして、チャイルドプロセスを作るのに使われることが多い。 試しに次の実験をしてみよう。 CHKDSK で使用可能メモリを調べる COMMAND と入力する もう一度 CHKDSK でメモリを調べると減っているはずである。これは今あなたがCOMMAND.COM管理下のチャイルドプロセス(この場合はMS−DOSの対話モード)上にいることを示している。もとの状態に戻るには EXIT と入力する。よくエディタなどで、「MS−DOSモード」というのがあるが、これはCOMMAND.COM を実行しているに過ぎない。もとのエディタに戻るにはEXITを入力する。 以上より、次のようなバッチコマンドを作ってはならない :LOOP COMMAND GOTO LOOP さて、チャイルドプロセスにはそれを起動したプロセスの環境変数がコピーされる。しかし、チャイルドプロセスで環境変数を設定してもEXITで親プロセスに戻ればもとに戻ってしまう。次の例で実験しよう SET DB=ABC と設定し、SET とすると DB=ABC と表示される。そこで、 COMMAND とする。 SET とすれば、同様に DB=ABC と表示される。環境が受け継がれていることがわかる。 そこで、 SET DB=XYZ と入力して、SET とすると当然 DB=XYZ と表示される。 そこで、EXIT とすると元に戻っているはずである。 SET とすれば DB=ABC と出るはずである。 COMMAND.COMにチャイルドプロセスを生成させ、実行後(EXITなしに)帰ってくるようにすることができる。BASICのGOSUBに似ている。ローカル変数が使えるところなどBASICより賢いかもしれない。 それは、 COMMAND/Cコマンド とすればよい。「コマンド」で書かれた通りに実行する。なお/Cと「コマンド」の間はあけない。「コマンド」にはパラメータがあってもよい。 (例1) COMMAND/CDIR B: は DIR B: と同じ。これでは有難みが全然ない。 COMMAND/C が威力を発揮するのはバッチ処理である。 例えばABC.BATというファイルが XYZ DIR となっていて、 XYZ.BATというファイルが DATE TIME であったなら、ABCを実行した場合、DATE, TIME で終わってしまう。つまりバッチファイルから別のバッチファイルを呼ぶと、GOSUBでなく、GOTOになってしまう。 ここでABC.BATの内容が COMMAND/CXYZ DIR ならば、期待通り、DATE, TIME, DIR が順に実行される。なぜなら GOSUB XYZ であるからである。 もちろんパラメータも渡せる。 CHK.BATというファイルが CHKSTD <%1 となっていて、 FOR %F IN (B:*.STD) DO COMMAND/CCHK %F とすれば(先の例の場合)これは CHKSTD